みんなの物語

□豊穣なる宇宙の宴
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第一章 不幸少女さとり


俺の通っている印南中学校はもうすぐ夏休みに入る。
今俺は、こんな12歳以上の人間しかいない糞つまらない空間など、すぐにでも抜け出しどこか幼女の居る所へ行きたい、そう想いながら校長先生の話を一昔前に流行した某芸人のネタの様に右耳から左耳へと受け流している。

にしても昨日かなりスピーディーな感じで俺の妹になったさとりは一体?

何か親父が出張先で作ってしまった子供らしいが……色々と不自然な所が多い。


妹が出来たのは嬉しいが今一素直に喜べない。


本当に親父は出張先で子供なんて作ってしまったか聞こうにも、俺の親父はさとりが来る日の朝に何処か遠い所へ出張へ行ってしまった。

まるで逃げる様に。

これ以上考えても憶測の上に憶測を重ねるだけで下手をすると全く見当ハズレな所へ行き着いてしまうので、さとりについて考えるのをやめた。

にしても何故、校長は夏休み前には決まってこんな長い話をするのだろうか?
こんな禿げ散らかった爺の話など聴いても糞面白くもない、どーせなら12歳以下の可愛らしい少女にやらせれば良いのに、そしたら何時間聴いたとしても苦痛にはなるまい。
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