みんなの物語

□ゆめのおわり
1ページ/11ページ

「はーい、皆さん!転校生の徳見智生(とくみ ともお)ですよ。仲良くしてあげてくださいね」

僕徳見智生ハ転校生です。
今日からこの少し変った中学校、杉本中学の中学ニ年生です。
この中学のどこが変かといえば、女子生徒の制服は喪服の様な黒色で、男子の制服ハ白衣の様にまっ白なのです。
その他、制服だけではなく、学校に置いてある殆どの物が黒と白なのです。
席についた学生達は、教卓から見たらまるでチェス盤の模様の様です。

「皆さん、はじめまして徳見智生です。」

僕はただ挨拶するだけではつまらないと思い、先生に指定された席へ向かう途中にチョットしたギャグをかまそうと思いました。
僕はザッと見て生徒の中で一番容姿の優れていた窓際の席に座っている女性を指差し、大きな声で

「ああ!今朝のパン女!」

と言いました、ですがその女の子は、一瞬僕の方ヲ無感動な目で見てから、正面ヲ向き、器用に左手でペンヲまわしながら、窓から指す日の光により出来た、まわしているペンの影ヲ眺めていたのです。
髪が長くて、肌は雪の様に白いそれハそれハ綺麗な女性でした。
制服の黒と肌の美しい白、その白と黒のなかで異臭ヲはなつ赤い唇。

気がついたら僕は羞恥に頬ヲ染めながら、彼女のすらりと伸びた指がペンヲ回す様に、見蕩れていました。
気がつけば僕の頬ヲ赤く染めるのハ、羞恥でハなく、もっと違う形容しがたい何か、に変わっておりました。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ