みんなの物語

□吸血鬼と蝉の記憶
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教室にて、
聞こえるのは蝉が奏でる夏の交奏曲、
夕日が西方の空に沈みかけた頃の事。

「じっ、実は私先輩の事が好きでもなくもなく、皆様のご協力の元粛々と先輩とお付き合いできたらなァ、と思わないでもない今日この頃の次第でございます。」

ヘボ政治家の言い訳の様な、奇抜な愛の告白世界大会で優勝を狙えそうな奇抜な告白を受けたこの僕、戸張 捗(とばり はかど)は今、究極に混乱していた。
僕はこの十四年間モテようとあれこれやってきたが、まるでモテぬ事風の如し、林の如し、火の如し、山の如しと何をやってもモテなかった。

「先輩じゃねぇし同学年だし、同じクラスだし、よく意味が分からないが、とりあえず僕に付き合って欲しいのか?」

この少女は東方 案山子子(ひがしかた かかしこ)僕も人の事はいえないが凄く変な名前だ。
多少変わった所もあるが、容姿が優れてる為に疎外されてる訳でもない、多少茶色がかったポニーテールの髪と変な言葉使いが彼女の特徴だ。

「先輩・・・あなた少し自信過剰なんじゃないですか?」

女性に言われると中々どうして胸にグサりとくる科白だ。

「・・・・」

「まぁそいゆう事ですけど。」

「そうゆう事なのかよ!」
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