VOC@LOID

□サイハテ
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ピッピッピッピッ
部屋に心電図の音が響いている。
ここはクリプトン病院、309号室。
ベットには1人の少年が横たわっていた。
その周りを医師たちが慌しく動き回っている。
その少し離れた場所で少女が怯えた様子で立っている。
「先生!心拍数が減少しています!」
その一言に少女は驚き少年のもとへ駆け寄った。
「レン!レン!しっかりして!」
少女は泣き叫んでいる。
ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…
「リ……ン…」
「レン!お願いだからっ。まだ…まだ…」
ピッ……ピッ……ピッ……ピッ……
「リ……………ン………」
「レン!いかないでよっ!レン!」
ピッ…………ピッ…………ピッ…………ピッ…………
「ご………め……ん…………な…」
ピ――――――――――――――――――――――――――――ッ
「レン!?レン!?……イヤーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」


サイハテ


「……では、故人との最後のお別れを。」
「リンちゃん、レン君にさよならって言ってらっしゃい。」
近くにいたおばさんが私に言ってくれた。
私はレンの眠っている棺に近づき、その姿を見た。

……レン、むこうはどんな所…?
無事に着いたらお手紙…書いてほしいなぁ…
遠くへ行っちゃうレンにリンの歌声と祈りが届くといいなぁ…
今日はあの日みたいに綺麗な青空だよ……
綺麗過ぎてとても悲しくなってくる、まるでお別れ日和のようで…
またいつか会えるよね………?だってリン達、双子だもの
あの扉が閉まってしまったら……離ればなれになっちゃうよ…
レンの煙は雲になって雨になって……海に行くのかな……?
ありふれた人生を……紅く色付ける様な………
たおやかな恋でした…………ありがとう…


「……さよなら…レン………」


〜End〜

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