謙光・千石攻め

□『MeltingSweetness』
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んで今、目の前にはニっコニコの笑顔で俺にチョコレートを差し出しとる謙也さんの姿


「めっさ嬉しそうっすね、謙也さん」

「やって、甘いもん食べとるときの光むっちゃカワイイんやもん。
それが今から見れんねんで〜?しかも俺の手作りのもん食ってやで!嫌でも笑ろてしまうっちゅー話や!」


サラッと何でも無いことのように恥ずいことを言うてくるから質が悪い


赤くなりそうな顔を隠すようにラッピングされた箱を受け取った


「…謙也さんの手作りなんや。腹壊さんやろか」

「なんやてー!?」



俺のために作ってくれたやなんて、めっさ嬉しくて顔がニヤけそうになるのを憎まれ口で誤魔化す

まぁ…きっとバレバレなんやろうけど



カーマイン色の長方形のボックスを開けると

中にはトリュフが5個並んどった


「どうや!美味そうやろ〜?」

そう言うてくる通り、見た目は普通に市販されとるくらいのキレイさやった

「まぁ、問題は味っすわ」


1つ手に取って口に放る


「…どうや?」

心配そうに聞いてくる謙也さん




「…美味い」


文句の一つでも言ったろうかと思てたのに、それを忘れるくらいほんまに美味しかった


「ほんまか!?良かったわ〜。頑張って作った甲斐があったで〜♪」

益々笑顔になりながら俺の頭を撫でてくる



あまりにも自分だけが嬉しいみたいで悔しなったから
ケータイを取り出して謙也さんの目の前に立てたった


「そら、こんだけ練習してんから美味いハズやんな」



ケータイに写し出されてたんは


板チョコを何個もダメにしながらエプロンもチョコまみれにしてキッチンに立っとる謙也さんの姿


「な、なんやこれー!?」


顔を赤くして焦っとる謙也さん

…してやったりや。



「弟くんが隠し撮りして送ってくれたんすわ〜。"兄ちゃんむっちゃ必死、おもろい(笑)"やって。めっさええ子やなぁ」

「はぁ!?翔太!?
あいつ…家帰ったら覚えとけや…」

「暴力反対っすわ〜」


そう言って2個目を口に放った


丁度ええ甘さが口に広がる


あんなに必死になって作ってくれてんから美味いハズや

教えてくれた弟くんにほんまに感謝やな

作ってる時の真剣な謙也さんが想像出来て思わず頬が緩んでしまう
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