リクエスト

□マイン
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…どないしよ

俺…さっきから

同じことばっか考えとる


せやけどこんなん言われへんし。めっさハズい

…言わんでも出来る方法無いやろか…







なんや今。

俺、財前光。


めっさ謙也さんにキスしたいです









なんでこんなんになってもうたか考えると

…絶対部室でのあれが原因や。謙也さんのアホ…




「蔵〜。もうちょい飲みたい」

「謙也、もうちょいて何回目やねん」

「やって、美味いねんもん」

「しゃあないなぁ。ほれ」

「よっしゃ!」

白石部長が謙也さんにペットボトルを手渡して

受け取った謙也さんは嬉しそうに蓋を開けて口をつける


ほんまに何回目やねん。



部活が終わって部室でみんななんか飲んだり着替えたり話したり色々しとった

そしたら部長が1リットルぐらいのデカイペットボトルを取り出して飲みだしたんや

「蔵、なん?それ」

「これは俺のエクスタ茶や」

…ま。ネーミングセンスは放っといて

部長が独自に配合ブレンドした茶葉の茶らしかった

それに謙也さんは興味湧いたんか「一口くれ!」て言い出して。
部長が飲んだそれに口をつけた

…間接キスや、とか別に気になったわけちゃうで。…うん、ちゃうで?


んで、さっきのに繋がる訳や。

一口飲んで「これ美味っ!」て叫んどる謙也さんの手から部長が奪い返して、「せやろ」て言いながらまた自分で飲んどった

そしたら、それをじーっと見とる視線があって

「なんやねん?」

「…もうちょい飲みたいな?」

部長の問いかけに可愛い子ぶって答える謙也さん

…ちょい可愛い、とか思ったりしてへんで。…うん、思ってへんで?

「しゃあないな。あと少しやで」

なんだかんだ言うて謙也さんに甘い部長はすんなり渡して、そしてまた謙也さんは美味そうに飲む

そんなんが繰り返されとって

「あ、お前飲みすぎや!返せ!」

「ちょおまだ飲んどったのに!貸せや!」

て、じゃれあいが始まってしもた

お互い奪って奪われて飲み合いしとる



……うん。
部長と謙也さんが仲ええのは承知しとる。親友らしいし


でもな…?
でも、いくらなんでも…間接キスし過ぎや無い?

そら1回や2回やったら俺やってなんも思わんけどもう何回か分からんぐらいやで

…あの唇に触れてええのは俺だけのハズやのに。

なんかそう思い出したらムカムカしてきて、気づいたら謙也さんの手引いて部室出とった

「光?」

て後ろから呼ぶ声がするけど無視して歩く


足早に歩いとったらあっという間に俺らが分かれる分岐点まで来てしまっとってやっと手を離した

「光?どないしたん?」

そう言うて顔を覗いてくる謙也さんの顔が視界に入ったら。
もう一点にしか目がいかへんかった

何回ももっと近くで見たことあるハズやのに、その唇がえらい俺を誘ってるように見えて無意識にゴクリと喉が鳴る


…めっさ、触れたい。…キス、したい。


このまま分かれたくなくて謙也さんの服の裾を掴もうとしたら

「あ、せや!光、今からちょお俺んち来ん?光が好きそうなCD見つけてん!」

なんてタイミングのイイ誘いや。謙也さんの部屋に行くてことは…いつもの流れで100%、する

俺は即座に首を縦に振った


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