過去拍手+α

□first contact-4
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駅―西口
噴水前にて。午後3時―


「(光のやつ遅いな〜)
……ん?
あれ、確か…伊武?ちゃうかったっけ。不動峰の」

「…あ。……えーと…」

「ああ。四天宝寺の忍足やで。覚えてな」

「あ、そうでした。大阪の忍足さん」

「大阪のて。はは!東京の忍足は侑士か!俺は謙也やからな〜間違えんといてや」

「…はあ」




「……。…なんやドでかいスポーツショップが出来たて聞いたから、東京の学校を視察ついでに行ったろ思てな」

「…はい?」

「いや、なんで大阪の人間が東京におんねや〜?って聞くかと思ってんけど、なんも聞かれんし、自分から言ってみてんけど」

「はあ」

「あ、…俺と話すのイヤやった?こうやって話すの初めてやから、色々話してみたかってんけど迷惑やったか?す、すまんな」

「別に、迷惑じゃないですけど」

「そうか?じゃあ折角やしなんか話そうや」

「…スポーツショップ、ここじゃないですよ」


「え?あ、あぁ!分かっとるって。ここで待ち合わせしてんねん。財前と…あ、分かる?財前。財前光。うちの2年なんやけど」

「あ〜…なんか噂で。天才とか言われてる」

「おー!不動峰までうちの学校の噂届いてるんや?なんや嬉しいなぁ」

「…忍足さんも、浪速のスピードスターとかなんとか」

「おぉ!その通りやで!他にはなにか聞いてるん?」

「…ヘタレ…?」

「はっ!?」


「忍足さんはスピードスターだけど、すごい…ヘタレ」

「な、なんやそれ!そんなんまで届いてんのか!?違う!違うで!俺はヘタレやなんかや無いで!」

「まぁ噂なんで」

「そ、そうやんな!」

(今の焦りっぷり…本当なんだろうなぁ)




「…で?伊武はなにしてんねん?こんなとこで」

「俺も一緒です。
スポーツショップに行くとこで、ここで待ち合わせ」

「ほぉ奇遇やな〜!誰と行くん?一緒の学校のやつか?」

「…いえ、…千石さんと」

「へ?千石って…確か山吹中の、千石清純?仲いいんやな〜?」


「仲が、いいっていうか……」

「ん?」

「…なんでもないです。…そっちこそ」

「え?」

「なんで財前となんですか?普通、視察なら部長とかと来るもんだと思うんですけど」

「え…あ〜、そ、それは…皆が俺らに気を使ってくれたと言うか、なんというか…」

「は?」

「え〜と…。えー、あー、お、驚かんといてな?
実は…俺ら、付きおうてんねや…?」

「…。あぁ、なんだ。そうなんですか、納得」

「お、驚かんねんな…」

「…俺も、似たようなもんなんで…」

「へ?」

「……」


(…ああ!さっき言葉を濁した時か!なんや、そうやったんか〜)

「そーか、千石とか。そりゃ驚かんわけやな」

「まぁ…」

「でもほんま奇遇やんな!
似たような状況で同じ日に同じ場所に行くのに同じ待ち合わせ場所やなんてな」

「そうですね」

「なんや仲良うなれそうやない?俺ら」

「…ですかね」

(…ははっ!つれへん態度やな〜。光といい勝負やで)
「─と、そういや遅いな、光のやつ」

「…千石さんも」

「なんかあったんやろか」

「俺…待つの嫌いなのになぁ…。知ってるハズなのに…何してるんだろ。もう帰ろうかな…そうだよな、結構待ったし帰ってもいいよな…ボソボソ…」

(……。
こ、これが噂のぼやき、言うやつか…?ごっつビビるんやけど)

「え、え〜と。で、電話してみよか?な、それがええって!」

「…そうですね」

ピッ ピッ ピッ

プルルルル…


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