過去拍手+α

□【過去拍手文】
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『屋烏の愛』

(〜10.03.16)まで拍手に置いてありました。

千切で。
(千石さんは出てきません。赤也と柳の会話です)


――――――――――――――





「はぁ〜」

「どうした?赤也」

「あ!柳先輩!聞いてくださいよ〜」

「なんだ。千石とケンカでもしたのか?」

「え!?なんで分かったんすか!?まさか予測っすか?」

「さすがに俺も後輩の恋愛情事までは予測しかねる。
そんなに大袈裟に何回も溜め息をついていたら誰でも簡単に分かるがな」

「う…そんな何回もついてないっすよぉ?」

「で?どうしたんだ」

「それが…
俺って結構いっつも丸井先輩とか仁王先輩に絡まれたりしてよくくっついてるじゃないですか」

「そうだな」

「んで少し前に丸井先輩に
『そういや千石ってさ〜俺らがこんだけいっつもくっついてても何も言わねーの?』って言われたんすよ」

「何もとは?」

「俺もそう思って聞いてみたら
『妬きもちだよ妬きもち!自分の好きなやつが他の男とじゃれてたら嫌じゃねぇ?』って…」

「ほう、嫉妬心か」

「そう言われてみたらそうだな〜と思って。
で、千石さんに嫌じゃないのかを聞いてみたんすよ」

「ああ」

「そしたら…
全然気にしないよ〜って笑顔で言われて…」

「…それは」

「ねぇどう思います!?柳先輩!俺なんて千石さんがあの山吹の地味な部長と仲良くしてるだけでもイラッとくるのに!
妬きもち妬かないってことは俺のこともう好きじゃ無いんすかねぇ!?」

「地味は言ってやるな…赤也。
早合点はいけないな。他には何も言っていなかったのか?千石は」

「なんでなんすか!?って聞いたら…億劫だからって言われたっす…」

「億劫?」

「億劫って要は面倒ってことっすよね?酷くないっすか!?それで俺が怒って飛び出してきちゃったんすよ」

「…赤也。本当に千石が億劫って言ったのか?」

「そうっすよ!!『俺の切原くんへの想いは億劫の愛だから!』って自信満々に!」




「………」

「…ん?柳先輩、どうしたんすか?」

「赤也…それは億劫では無く
『屋烏』だ」

「おくう…?…なんすか、それ」

「『屋烏の愛』という諺…慣用句だな」

「どういう意味っすか?」

「…それは自分で調べるのがイイだろう」

「えぇ〜!…わ、分かったっすよぉ。…ケータイで調べれるかなぁ…"おくう"っと…(カチカチ)
…あ、あった!」

「意味は分かったか?」

「えーと、ちょっと待ってくださいよ〜……

……え。」


「分かったようだな」



「……っ!!お、俺っ!千石さんに謝ってくるっす!!」


「赤也、部活は――
ふぅ…行ってしまったか。

それにしても…
『屋烏の愛』か。イイ言葉を知ってるな、千石は」






『屋烏の愛』

それは

不吉とされる烏も愛する人の家の屋根に留まっていると愛らしく想えると言う意。

すなわち
人を愛すると、その人に関わるもの全てが愛しく思うほど深く愛するということを表しています


END☆


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慣用句ってイイなぁって思って出来たお話でした。
日本語ってやっぱりキレイですよね♪
お読み頂きありがとうございました☆


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