謙光・千石攻め

□『SpecialSweetness』
1ページ/5ページ


「いらっしゃい〜!伊武くんっ」

「…お邪魔します」









今年の2月14日は運よく日曜日!

もちろん部活は休み!(に、させた。って言った方が正しいかな?)

だから今日はずっと伊武くんと一緒にいれるってわけ♪


久々の休みだし俺んちでゆっくり過ごそう!ってことになって朝から伊武くんはうちに来てくれた

雑誌読んだりDVD見たりコーヒー飲んだり、もちろん楽しく会話もしながら。

気づけばもう時計の針は昼のおやつの時間をとうに過ぎたりしてて



…楽しいんだけど、1つ気になることが…。





…今日って、バレンタインデーだよね?



伊武くんから…チョコレート、貰って無いなぁ…



「…伊武くん?」

「…なんですか?」


名前を呼んでみると読んでた雑誌から顔を上げ、きょとんと首をかしげて俺を見る

(〜カワイイっ!!その見方反則だよ!伊武くんっ!!…じゃなくて!)

「…えーとさ?その〜…」

「…?」


なんて言おうかな。伊武くんはきょとんとしたままだし。…もしかしてバレンタインって忘れてるとか!?

何日か前から猛アピールしてたつもりなんだけど…気づいて貰えてなかったかなぁ



「その…さ。甘いもの、食べたいな〜?って」

遠回しにアピール。
でも

「食べたらいいじゃないですか。…あれ」

伊武くんは俺の後ろを指差すだけ。
…しかも、なんとなく声が冷たくなった気が…



…「あれ」?
なにかあったっけ?と思って後ろを見ると



キッチンのテーブルの上にチョコレートの山



「…あ!?」



そういやずっと置きっぱだったんだ

今日が休日だからって、金曜の学校の時や昨日の部活の時に貰ったチョコ


…忘れてたー!
あんな堂々と置いとくなんてっ!!

「あ、あれは!あれは違うんだよっ!!
友達同士のチョコみたいなもんでっ!」

必死に説明する。
だって本当だから。俺が貰うチョコはほとんどが仲のイイ女友達から。バレンタインだから一応あげる!みたいなノリで。
…中には少し違うノリのモノもあるけど…応える気は無いので内緒にさせてもらおう…


「…甘いもの食べたいんですよね。だったらあれでいいじゃないですか。友達からだろうとチョコはチョコですよ」

そう言って雑誌に目を戻す伊武くん


「ち、違うよ〜!伊武くんからチョコレートが欲しいってことだよ〜っ!!」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ