神尾受け
□『流星群 PART2』
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Pi Pi Pi Pi…
無機質な機械音が部屋に響く
携帯電話の着信音だ
誰だろう、こんな時間に
時計の針は夜の9時を回っていた
人によって音などを使い分けたりする方じゃ無いので誰からか判別出来ない
携帯を手に取ってディスプレイに表示された名前は
ピッ
「…もしもし。神尾?」
「あ、やっと出た!深司〜今ヒマか?」
「今って、もう9時回ってるんだけど。ヒマっていうか普通中学生は家にいる時間じゃないの」
「家にいるんだな!じゃあさ親に言って出てこいよ〜。俺、表で待ってるから!」
――――
最低限の準備をして出ていくと神尾が玄関に背を預けて待っていた
「お!来たな〜」
「なにやってんの」
「ちょっと行きたい場所あってよ」
「出掛けるの?今から?」
「おぅ!さ、行こうぜ〜」
「行くってどこに…」
「いいから、いいから。着いてくれば分かるって」
そう言って手を引かれる
「…遠いの?なら自転車出そうか」
「おお!イイ考えだな!遠くはないけどよ」
二人乗りして自転車は進む。風が冷たいし俺はどこに行くのかも分からないままだったけどウキウキと自転車を漕ぐ神尾が楽しそうだったから別に気にならなかった
――――
そして着いた先は少し小高いところにある公園だった
「うぅ〜寒みぃっ!」
「当たり前でしょ、夜なんだから。そっちから誘っておいてなんでそんな薄着なの?」
「走ってきたからな〜お前んちまで」
「自転車でも乗れば良かったんじゃない」
「そこまで考えが回らなかったんだよぅ!テレビ見てたら、これは見に行かないと!って思って気づいたら走ってた」
テレビ?結局何しに来たんだろ
「…そっか、神尾は体か先に動くんだったね。そこまで考えられるわけ無いか。
考えられるなら俺んち来る前に電話ぐらい出来ただろうし」
「なんだよー!どうせ単細胞とか言いたいんだろ〜」
「自分で言ってるし。もし俺がいなかったらどうするつもりだったの」
「…諦めて帰る?」
「しか無いよね」