神尾受け

□『SA history』age4<本編>
1ページ/7ページ


11月3日。



とうとう誕生日当日がやってきた




俺はあれから毎日家で練習した

漬物なんて作ったこと無かったし、作ってみると色々と奥が深くて。まず何の野菜にしようか、味噌にしようか、塩、醤油にするか…

深司の好みを思い出しながら



今ではちょっとした漬物博士だ(笑)

で、納得の行くものが出来て、それを持ってきたわけなんだけど…





…なんだか最近、深司とこじれているι



プレゼントが決まった翌日

深司が変なことを聞いてきた

朝、珍しく俺の教室に来たと思ったら

「…アキラ。俺に…なんか隠し事…、…言わなきゃいけないこと無い?」

俺は意味が分からなかったし隠し事なんて無いと思ったから、正直に「無い」と答えた

そしたら

「そうなんだ。…言えないんならいいけど。…それだけ、じゃ。」

とだけ言って行ってしまった

それからというもの
部活が終わってからは俺は練習の為に一人急いで帰ってたし

昼休みは一緒にいても目も合わせてくれないし

部活中だって必要最低限しか話してくれなかった



なにより、笑ってさえくれなかったし


あの…頭をポンってしてくれるのも無かった


なにが原因なのか分からなくて俺は困ってた

そしてそのまま当日を迎えてしまったという訳



「ん〜、なにかしたっけ俺…」

放課後。
部室で行うパーティーの準備を終え、深司を呼びに向かっていた俺は考えていた

…やっぱり思いつかない。毎日一緒に帰れなかったからかと思ったけど、それだけであそこまで怒るわけ無いし



気づけば深司の教室の前まで来ていて、中を覗く

すると深司が窓際に立ってるのが見えた

「しん…」

声をかけようとした時

教室に深司以外にもう一人いることに気づいた


それは深司と同じクラスの女の子で


手にはラッピングされた小さな箱


どう見ても
誕生日のプレゼントだった
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ