リクエスト

□body with heat
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「…おはようございます」

そしたら凄い勢いで俺から離れて顔を真っ赤にしたかと思たらベッドに倒れてしもた

「謙也さん?」

「……し、しんどい」

「そら、そない急に動いたらしんどいっすわ。アホみたいに熱あんのに」

「…なんで、ひかる、おるん?」

覚醒しても舌ったらずな話し方は変わらへん

「…謙也さんがメール送ってきたんや無いすか」

「メール…?
…――っ!!も、もしかして…会いたいとか言うの送ってしもた?俺…」

「あいた、で止まってましたけどね」

「〜っ!!す、すまんっ!!無意識やねん!!
ほ、ほら体弱ってたら一人て寂しいやん!?うち今日みんな用あってやな…。そ、そしたらひかるに会いたなって…。で、でも送るつもりは無かってんで!ほんまに!すまんっ」


ベッドに寝とるせいで上目遣いになっとるし、まだ潤んだ瞳して見つめて謝ってくる謙也さんに俺の理性はギリギリや

「…わ、分かったんで。俺別に怒っとらんし、…そない見つめてくるんやめて貰えますか」

「?…ほんまに怒っとらん?」

だーから!!その見方やめぃ言うとるんや!!

「き、気にせんとってくださいて!…せ、せや、起きたんならなんか食べたらどないです?」

「あ〜…、せやった。おかんに粥あるから食えて言われとったんやった」

「ほな、取ってきますわっ」



そう言って部屋を出たとこで座り込んだ


…はぁ…。あかん。
来たん失敗やったんかもしれへん。なにあの人…カワイ過ぎちゃう?
俺に会いたかったてサラッと肯定しよるし…

いつもはええ格好しぃのくせに弱ってる時だけあんなんなるてずっこいわ…

はぁぁ…どないしよ。




―――



「粥持ってきたりましたよ」

「お〜、おおきにな」

キッチンでどうにか気持ちを落ち着かせてから部屋に戻った

…さっきよりは冷静になれた。……ハズや


「起きれます?」

「ん〜…結構しんどいっちゃしんどいねんけど……あ、せや!」

「なんすか?」

「ひかるが食わせてくれたら起きんでも済むな〜て…」


…………は?

今、食わせろ言うた?
所謂…「あーん」てやつか?


「……やっぱ、あかん?嫌やったらええねん、言うてみただけやから」

固まっとる俺に謙也さんは布団から顔だけ出して寂しそうに笑う

…な、なんやねん、この人。天然でそないな頼み方してきとんのか!?…断れるわけあらへんやんけ…

「…え、ええですよ」

「ほ、ほんまか!?むっちゃ嬉しいわぁ〜」

レンゲで一掬いして口に運ぶ

「…どーぞ」

「お、おん!」

自分で言うたくせに照れとるし…ほんまに、カワイ過ぎや…

思わず目を逸らす

そしたら

「ちょ、ちょおひかる!ズレとるて……あ〜あ」

目を逸らしたのと一緒に手の位置もズレてしまったらしく粥も口から少し逸れてしまっとった

「あ、すんませ……」

大丈夫て言いながら口端から顎にかけて溢れてしまった粥を指で掬い口に運ぶ謙也さん


「――っ!!??」


……あ、あかん、あかんて!…な、なに考えた今、俺。
…ただ溢れた粥を食べただけやんけ…!せや…あれはただの粥や…!粥は白く濁った粘り気のある食べ物て知っとるやろ…!


「どうかしたん…ひかる?顔えらい赤いで?」

「─っ!!な、なんでも無いっすわ!ほ、ほら!はよ次食ってくださいよ!」

「お、おん」


なに考えてたとか、謙也さんに知られたら俺死ぬ。本気で死ねる。


…ほんまに来たん失敗やったな…


―――――


なんとか全部食べさせ終わって皿を運んで部屋に戻ってきたら

「…謙也さん?」

「ん……あ、悪い」

どう見ても眠そうにウトウトしかけとる姿

「眠いんやったら寝たらどないです?」

「…やってせっかくひかる来とんのに寝んの嫌やねんもん」


…あかん。ほんまにちょお…ヤバい。
普段なら照れたり格好つけたりして言わなそうなこともサラッと言うてくる謙也さん。カワイイを通り越して襲ってまいそうや


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