八重桜の物語

□第四章
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しかし、月への告白は水川だけではなかった。

それからとういうものの、休み時間の度に誰かに呼ばれて告白されるということが続いた。

「もう、今日は何だって言うのよ!」

放課後、月は溜まっていた鬱憤がついに爆発したようだ。

「まぁ、まぁ、月」

東雲は今日は部活がないのか、一緒に教室にいてくれている。
東雲の部活は吹奏楽部だ。

「月、最近左之助くんと何かあった?」

「・・・・・・別に」

その言葉と同時に月は東雲から視線を外した。

「何かあったんでしょ、まぁ詳しくは聞かないけど・・・月昨日、森丘高校の風間と噂があったでしょ」

「うん、それがどうかした?」

「噂はデマだって流しといたから安心して・・・でも、その噂が元で月に告白が絶えないんじゃないの?」

「ごめん、意味わかんない」

「だから、今まで月は左之助くんと一緒にいることが多かったでしょ。それで左之助くんと付き合っていると自然に周りは思っていたらしいよ。それが風間と付き合っていた、でもデマだった・・・だったら月はフリーということで告白が絶えないんじゃない?」

「・・・・・・無茶苦茶だ・・・」

月は机に突っ伏した。

「まぁ、最近左之助くんとよそよそしいところが周りにはチャンスと思ったんじゃない」

東雲は月の頭を軽くポンっと叩いてきた。

「まっ、頑張んな」

「・・・うん」

「春日月っていうのはここにいるのか?」

廊下から声がし、月は顔を上げた。今この教室にいるのは月と東雲だけだ。






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