ガンダム00中編&企画モノ置き場
□Unrequited love1
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少女は脱いだ上履きを丁寧に下駄箱に納め、代わりに革靴を引き出した。
地面に下ろし、まだ新しい革靴のかかとを潰さないようにゆっくりと足を通す。
顔を上げると、腰まである銀の髪がさらりと揺れた。
+Unrequited Love1+
薄暗い昇降口を出ると、目の前が急に明るくなった。
少し急ぎ足になり、まっすぐ正門へと向かう。
正門を出ると、門の脇の校名に寄りかかっている見知った姿を見つけた。
「ハレルヤ」
ソーマに気づいたハレルヤが、腕組みをといて背中を離す。
「おぅ」
「……アレルヤは?」
双子の片割れの姿がないことに気づいたソーマが尋ねた。
「あ〜……アレルヤの奴、先に門行ってろって言ったきり、まだ来ねぇんだよ」
ハレルヤの声はいつもより力がない。
どうやら、かなり待ちくたびれているらしい。
まぁ、ハレルヤの性格のことだから、たいした時間じゃないだろうが。
「なぁ、お前ちょっと探して来いよ」
ハレルヤが地面にしゃがみこみながら、ソーマを見上げて言った。
「あいつ、校内で迷ってるかもなぁ」
ハレルヤの冗談に、ソーマが素直に頷く。
「それは大変なので、探しに行ってきます」
言うと、早速踵を返そうとした。
ハレルヤが慌てて呼び止める。
「おいっ! 鞄持っててやるよ」
「……」
「地面に置かねーから!」
「……」
「中も見ねーよっ!」