ガンダム00中編&企画モノ置き場
□Unrequited love2
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+Unrequited Love2+
チャイムが鳴り響き、生徒たちが学校から開放される。
あっという間に、廊下は放課後独特の喧騒に包まれた。
家路につく者、部活に向かう者、別のクラスの誰かに会いに行く者。
クラスメートたちも、みんなぞれぞれに散っていった。
アレルヤもハレルヤとともに、待ち合わせ相手の元に急ごうと帰り支度をしていた。
「アレルヤァ!早くしろよ!」
「(ハレルヤ…早いなぁ)」
ハレルヤが早いのは、鞄と携帯以外何も持ってきていないからなのだが、
アレルヤは焦りながらも、慎重に教科書類を鞄に詰め込んだ。
この前みたいに、宿題だけ持って帰るのを忘れるとかは避けたい。泣けるから。
ようやく帰り支度が終わって立ち上がったとき、横から急に声を掛けられた。
「アレルヤ、ちょっといい?」
顔を上げると、クリスだった。
クラスは違うが、明るいクリスは女の子の中でも割と親しいほうだ。
「どうしたの、クリス。あれ、フェルトも?」
クリスの斜め後ろにフェルトがいた。
賑やかなクリスとは対照的な、物静かなフェルト。彼女も友人のひとりだ。
「アレルヤに頼みがあるの! うちのクラスのあとのふたりじゃお話にならないし、
ルイスたちじゃ刺激が強すぎるわ。ここはアレルヤ、アナタしかいないのよ!」
一気にまくし立てる。なにを言ってるのかまったくわからない。
「アレルヤァ!なにしてんだよ!」
ハレルヤが前のドアから叫ぶ。
「ハレルヤ、先に……」
「いまフェルトの大事な話してんのっ! 邪魔しないでよハレルヤ!」
クリスが一番後ろのアレルヤの席から怒鳴り返す。すごい剣幕だ。
「なんだこらてめぇ、クリスっ!?」
「ハレルヤ、先にソーマのとこ行っててくれる? 待ってるだろうから」
「……あぁ、わかったよアレルヤ。早くしろよな。クリス、てめぇ覚えとけよっ!」
ハレルヤは捨て台詞をクリスに残して、去っていった。
「ちっ、ガキが……」
クリスも舌打ちをする。
アレルヤは、たじろぎながらクリスに尋ねた。