ガンダム00中編&企画モノ置き場


Unrequited love4
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「……よかった。見つかって」


確かめるように、ぎゅっと腕に力が入る。
驚いて、残りの言葉を飲み込んだ。
アレルヤは昔から、ただひたすらに自分の心配をしてくれる。
その優しさだけで自分は幸せなのだと思う。


(あなたが誰を好きでも構わない)

(でも、私はあなたが好き)


それは幼なじみを越える想い。
しかし、溢れてきた涙に押し止められて、少女はその言葉を胸の内に留めた。
そっと腕を解いたアレルヤが、ソーマの涙に気づいてあたふたする。


「……ご、ごめんっ!力入れすぎたかな?」


心配そうな声に、かろうじて首を振って否定する。
そのまま、アレルヤの胸に寄りかかるように頭を預けた。
驚いたアレルヤの頬が紅く染まったが、俯くソーマには見えなかった。
ソーマの涙が収まるまで、ふたりはしばらくそのままでいた。



*****



「戻ろうか?みんなも心配してるだろうから」


ようやく顔を上げたソーマを見て、アレルヤが言いながら手を差し伸べる。
困ったように見返すと、アレルヤはにっこりと微笑んだ。
私はこの手を取っても良いのだろうか……?
少しだけ逡巡する。でも……。
おずおずと手のひらを重ねると、すぐにぎゅっと握り返された。


(今だけでいいから、隣に居させてください)


そっと見上げると、目が合った。嬉しそうな笑顔。
胸の痛みは、未だちくちくと確かに残る。
けれど、今はそれすらも愛しいと思える。
たぶんこれはあるべきものなのだ。
今日やっと気づいた、ずっと前から芽吹いていたこの気持ちを、胸の中にそっと納める。


 ―Unrequited love―



END
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