流星の双子

episode 6
2ページ/3ページ

香りは甘く、心は苦く…




「危害を加えるつもりはないわ。
息子も怒るだろうしね」
「…来ないで」
「私と一緒に来なさい」
「一緒に…?」



ミチルさんの愛、再び。(笑
息子が怒るから危害を加えないってか。
愛じゃないか。(しつこい




「お前が…やったのか…。
なんで…お前が…かぁちゃんを…。
契約者…だからか?
契約者は…人殺しても平気なのか!?」



銀の観測霊が居ましたね。
彼女は「居ただけ」なのか、何かやったのか。
あのミチルさんを包んだ水は、ミチルさん自身がやったのか、銀がやったのか。
両方水だから、分からないんですよね。

さようなら、ミチルさん。
君のことは嫌いじゃなかったぜ。
ここでのノリオの言葉は、蘇芳の心にガツンときた筈だ。
何しろ、蘇芳が黒に対して言った言葉と一緒みたいなもんだからね。
言われて、彼女はどうだったのだろう。
ショックを受けた顔に見えましたよ、私は。
濡れ衣なのに。
「契約者だから人殺しても平気」ってわけじゃない。
つまり、そういうこと。

このシーンの最後。
折り紙の舟に、雨水が溜まる所。
悲しいね。
溜まった雨水は、ノリオの涙。
そして、涙で一杯の舟。
涙で沈んだノアの方舟。
一緒に方舟に乗れなかった2人。
…悲しい。




「お前の目的は何だ」
「それを知らなければ私の指示には従えない?
契約者も、案外ウェットなのね」



オレイユ名文句だで!
黒とオレイユが手を切ったシーンです。
この台詞の直後、映った黒がまさにウェット。
思わず吹き出して、それ以外のこと全然覚えてない。(笑
あかん、ウケる。




「ここって…?」
「大人の都合って奴だな。
各地に別宅ってのがあるんだ。
…ジュライ、砂糖入れてくれ」



砂糖!?
緑茶に砂糖入れて飲むの!?

…おいしいのかな。
紅茶と勘違いしてるんじゃ…。
外国じゃ、緑茶にも砂糖入れる文化があるのか…?
詳しくないから知らないけど。
しかもジュライ、結構何杯も入れてるし。
あとさぁ、テレビ見てるペーチャがおっさんくさい。(笑
それでも可愛いのは何故だろう。




「ノリオ、僕のこと好きって言ってた…。
でも、もう嫌いだよね、きっと…。」
――人を好きになるって、どういうことなんだろう…。



そういうことです。
蘇芳、君は今まさに人を好きになってるのに。
気付かないんだ、面白いなぁ…。

ノリオのことも。
そう簡単には、一度惚れたものを嫌いにはなれないと思う。
パパを殺した筈の黒を、蘇芳が好きになるように。





『撃つな…撃つな、蘇芳!』
「…あいつ、僕の名前呼んだ」



人に認められたいのは、皆同じ。
それは契約者だって例外ではない筈。
もちろん、蘇芳だって。
人に認められたと、まず確認出来るのが、これでしょう、名前
名前を呼ぶこと、それは相手と向き合うこと。

日常生活でも、無意識の内に、名前を呼ばずに接してしまう人って居ません?
例えば…先生とか先輩とか。
職場で言うなら、上司とかが一番ありそうかな?
友達でも、「あれ?そう言えば俺、こいつの名前、ほとんど呼んだことねーぞ」って思うことありませんかね?

「先輩」だと、ただの不特定多数の「先輩」。
「先生」だと、ただの不特定多数の「先生」。
だけど、そこに「◯◯先輩」と、名前を付けるだけで、格段にその人への意識は高まる。
ニックネームだって、他の人よりも、その人を意識している証ですよね。

長々書いちゃったけど、蘇芳はあの時、初めて黒に蘇芳として意識してもらえたわけだ。
ただし、その背景には、黒の、銀への思いがありありと見える。
蘇芳は複雑でしょうね。

黒は本当に罪な奴だと思う。




「僕、撃たないよ。
その代わり…もう、お酒飲まないで」
「交換条件か」
「…あ」
「買いに行くのは野菜だ」



この台詞の後の、蘇芳の表情!
微妙な顔だっ!
何も障害がなければ、きっともう少し微笑が漏れたんじゃないかと思う。

そして第二期開始後初めて、台所に黒が立った記念すべき瞬間。
蘇芳に「もう撃つな」と言った時の彼に、わずかながら昔の優しい表情が戻っていたことに、安堵の吐息を漏らしたものです。
良かったね蘇芳。
背景に銀がちらつくけど、彼が君を見てくれたことに間違いはなかったよ。




「母ちゃんの思い出なんて…写真が一個もなかった!
でもこれから先、きっとしょっちゅう思い出しちまう…。
あの子のこと…忘れらんねーから…。
思い出しちまうから、だから…!」



ああ…泣けるわ。(笑
涙もろいので、登場人物が泣くと、私も泣いてしまう。

ノリオ、母の死と失恋が同時に来ちゃいました。
彼にとって、蘇芳への愛を捧げる日々は輝く思い出だった。
そこに、思い出にもない母との再開。
そんな甘いケーキのような思い出が、一瞬にして苦味へと変わってしまう。
でもそれは、甘さを知っている故の苦味。
そして、彼は甘いケーキを忘れられないと言う。
蘇芳を赦せないかもしれない。
でも、彼は彼女を嫌いになったわけではない。
人間の心は、そんな簡単なものではないですもんね。
だからこそ傷付き、苦味も感じる、と。




「どうした」
「…何でもない」



…ガスッ。
……ん?おぉっ!?
蹴った!蹴ったぁ!!
電柱蹴りましたよ蘇芳!
嫉妬してるっ、可愛いなぁ…。
黒に観測霊が見えないのが、また憎いところで。
まぁこれで、銀も黒を想っていることが、はっきり判ったわけだ。
今後が気になる。



次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ