あの頃…

□THEイモケンピ
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イモケンピ…




僕は、この名前を聞くと、1人の少年の名前を思いだす…




彼の名は、『タケシ』







彼とは小学校1年から6年まで同じクラスだった。






とても頭の良い子だったのだが、天然ボケが酷かった。






遠足の前の日、僕とタケシで駄菓子屋に200円を握りしめ、遠足のおやつを買いに行った。






駄菓子屋は小学生で溢れていて、中には同じクラスの飯田くんもいた。






僕が先に駄菓子屋からでると、飯田くんと、タケシが2人で出てきた。







近くの公園で3人、どんなおやつを買ったか、見せ合いをした。







僕らのラムネや、ヨーグルといった小物系に対し飯田くんは、ポテトチップスや、うまい棒、イモケンピといった揚げ物系で攻めていた。










遠足当日。







僕らは山登りを終え、昼ご飯の時間を迎えた。








僕、たけし、飯田くんを含めた数人のメンバーでご飯を食べていました。







『ぶ〜ん…ぶ〜ん…』






ハエが匂いを嗅ぎ付け寄ってきます。








『ぶ〜ん…ぶ〜ん…ぴた』





ハエは見事にタケシの頬に止まりました。








それに気付かないタケシ。







動かないハエ。








その時、僕に悪い神が舞い降りました。






僕『タケシ、ほっぺにご飯粒付いてるよ







タケシ『あぁ…ありがとっ







まだ動かないハエ…






タケシはほっぺのハエをひと掴みし、そのまま口へと入れました。







気付くと思って軽く言ったのに…






あまりにも衝撃的なシーンに、僕は本当の事を言えませんでした。







しかし、タケシ本日最大のの不幸は、この後起きたのです…








昼食の後は、お菓子タイムです。







みんなが、楽しそうにお菓子を広げて、くだらない話しで盛り上がります。








飯田くんがイモケンピを袋からだし、手にとりました。


その瞬間です。






『タケシ








タケシを誰かが呼びました。







勢いよく、タケシが振り返ります。









『サクッ…』







飯田くんが持っていたイモケンピが何故か、タケシの口の中にあります。







タケシはイモケンピを食べながら飯田くんに『有難う』って言ってます。







そしてタケシは水筒を取りだし、口に含みました。








『ポタポタ…』








タケシの左頬から、今飲んだ麦茶がこぼれてきました。







タケシ『痛いぃぃぃぃ







タケシはようやく左頬の異変に気付き泣き叫んだのです。






飯田くんの右手にあったイモケンピは、勢いよく振り向いたタケシの左頬を貫通し、見事に口の中に入ったのです。









その後、大人になったタケシくんは左頬の傷について誰かに聞かれると、クギが刺さったと言ってるそうです。







タケシくん、君の左頬を貫通したのは、イモケンピですから〜






残念







高速イモケンピ斬りっ








終わり…

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