あの頃…

□無修正
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5〜6年前の話し…








当時住んでいた会社の寮の近くにパチンコ屋があった。








その頃は『北斗の拳』や、『吉宗』などのスロットがもりあがっていた。








そこのパチンコ屋は、土日限定でイベントをやっていて、朝イチ、センターラインに777が揃っている台は設定5、6というイベントだった。








僕はその台をゲットするために、週末は夜中2時とかから並んだものである。








そのパチンコ屋のむかいには、エロビデオ屋があった。








ある日、そのイベントで儲けた僕は、不意にエロビデオ屋に入ってみた。








中に入ると、普通のエロビデオ屋だった。









所狭しと、お高さんやナベが好きそうな、いやらしいビデオや、本が並んでいる。








一通り店内を物色していると、店長らしき人物が話しかけてきた。








『お客さん、もっと凄いのが別の部屋にありますよ…』

















僕の心は、ハゲかかったこの店長に犯されてしまうかもしれない恐怖と、もっと凄いのが見たいという好奇心で揺れた。








そして、好奇心が勝った。







おそるおそる、店長の後ろについていく。








もし、店長が変な行動に出たら、得意のクロスカウンターをお見舞いしてやろうと、ポケットの中で拳を握った。








と、店長がある棚の前で立止まった。

















その棚が横にスライドし、隠し扉が現れた。








まるで銀行の金庫の様な、隠し扉を開けると、そこは10畳位の部屋が広がっていた。








店長『部屋を出る際は、インターフォンで、お知らせ下さい。ごゆっくりどうぞ。』








部屋の中央には、二台のテレビが置かれ、完全に無修正のビデオが流されていた。








さすがに無修正は値段が高い。








1本、1万円を軽く越える。







買うのをためらったのだが、何も買わずに、この部屋から出してもらえるのだろうかという不安から、特価セールという札のついた、6千円の物を手にとる。








普通のCDのケースに入っているそのDVDは内容すらわからない。








それを手にし、インターフォンで、出る事を告げる。







その内容すらわからないDVDを手に持ち、レジに向かう。








6000円を払い店を出た。








初めて裏の社会を見た様な気がした。








僕は一目散に寮へと帰り、プレステ2に、そのDVDを入れた。








耳にはヘッドフォンをして、準備は万全だ。







胸の鼓動が高まる…


























何度トライしてもプレステ2が古すぎて、このDVDが再生する事はなかった。








後日談




パソコンを持っている友達の部屋で、そのDVDを見たのだが、昭和のにおいがするオバハンが登場する、熟女ものだった。








そして、あのエロビデオ屋は、いつしか無くなっていた。








終わり…

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