あの頃…
□大食い対決
2ページ/2ページ
続き…
3回戦、アメリカンドッグ大食い対決で、リバース石嶺に異変が起きる。
明らかにリバース石嶺の食べるスピードが鈍い。
リバース石嶺はギリギリ1本差で3回戦を勝利した。
ここで、1時間の休憩である。
控え室に戻ったリバース石嶺に不調の原因を聞いた。
リバース石嶺は淡々と、
『俺、アメリカンドッグの生地、嫌いなんだよ』
と、アイスを食べながら笑って答えた…
…
なんという男であろうか?
僕はリバース石嶺の懐の…胃袋の大きさに驚愕した。
決勝戦。
予想に反して、餅、焼き鳥の大食いチャンピオン達の姿は、そこにはなかった。
対戦相手は、宅八郎似の大学生。
僕はリバース石嶺の優勝を確信した。
優勝商品は商品券で10万円分だ。
決勝戦、麺竜のジャンボ餃子、大食い対決だ。
この麺竜のジャンボ餃子、500mlのペットボトル位ある。
しかも今回は、麺竜のオヤジがステージ横で焼いて熱々の状態でだすらしい。
リバース石嶺にとっても辛い戦いになるだろうが、相手も辛い。
アナウンサーがインタビューを始めた。
まずは宅八郎から。
声が小さ過ぎて何喋ってるかわからない。
リバース石嶺の番。
『※●×キーン▼◎キーン』
こちらは、声がデカ過ぎて何言ってるかわからない。
いい勝負だ。
『ピーッ』
ホイッスルが鳴り、決勝戦がスタートした。
リバース石嶺は熱々のジャンボ餃子を口に入れると、一気に飲み込む。
あっという間に、一皿3コを完食した。
ギャラリーから歓声が起きる。
いつのまにか周囲は異様な熱気に包まれていた。
一方の宅八郎氏はというと、ジャンボ餃子を箸で丁寧に切り分け、まだ1個目の半分程度。
リバース石嶺は二皿目を食べ始めた。
ジャンボ餃子を1個口に入れ、水と一緒に飲み込む。
そんなリバース石嶺のパフォーマンスに観客は盛り上がった。
ちょうど宅八郎氏が一皿食べ終わる頃、リバース石嶺は5皿目に突入していた。
誰もがリバース石嶺の勝利を疑わなかった。
しかし調子に乗りすぎたリバース石嶺に、本日2度目のアクシデントが襲った。
勝利を確信したリバース石嶺は、5皿目の最後の1個を口に入れると、水ではなく今までつけなかった、餃子タレを口に流し込んだのである。
皆さんご存知の通り、餃子タレは、醤油、酢、ラー油で構成されている。
しかし、リバース石嶺が流し込んだタレには、醤油が入ってなかったのである。
酢とラー油…
醤油が入って無いだけで、これ程キケンな物はあるだろうか?
案の定、リバース石嶺はかなりの勢いで、咳き込んだ。
口の中は、ジャンボ餃子に酢とラー油が、ごちゃ混ぜである。
リバース石嶺は無理やり水で流し込もうとした。
『』
今度は喉に詰まり悶絶している。
リバース石嶺の顔色がどんどん紫色になる。
『プッシャアアアア』
息ができずに、失神したと同時に彼の口から『剛掌波』が放たれた。
現場は剛掌波から逃げ惑う人々で、騒然となる。
やがて、現場には救急車が呼ばれ、彼は運ばれて行っ。
そんな大騒動の中、淡々と6皿食べきった、宅八郎似の大学生が優勝した。
優勝インタビューも何喋ってるかわからなかった。
その後、リバース石嶺は救急車の中で意識を無事取り戻し、その日のうちに家に帰っていった。
その日から石嶺君は、リバース石嶺と呼ばれる事になった。
終わり…