あの頃…

□大食い対決
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続き…









3回戦、アメリカンドッグ大食い対決で、リバース石嶺に異変が起きる。




明らかにリバース石嶺の食べるスピードが鈍い。




リバース石嶺はギリギリ1本差で3回戦を勝利した。



ここで、1時間の休憩である。




控え室に戻ったリバース石嶺に不調の原因を聞いた。



リバース石嶺は淡々と、
『俺、アメリカンドッグの生地、嫌いなんだよ
と、アイスを食べながら笑って答えた…









なんという男であろうか?



僕はリバース石嶺の懐の…胃袋の大きさに驚愕した。









決勝戦。




予想に反して、餅、焼き鳥の大食いチャンピオン達の姿は、そこにはなかった。




対戦相手は、宅八郎似の大学生。




僕はリバース石嶺の優勝を確信した。




優勝商品は商品券で10万円分だ。




決勝戦、麺竜のジャンボ餃子、大食い対決だ。




この麺竜のジャンボ餃子、500mlのペットボトル位ある。




しかも今回は、麺竜のオヤジがステージ横で焼いて熱々の状態でだすらしい。




リバース石嶺にとっても辛い戦いになるだろうが、相手も辛い。




アナウンサーがインタビューを始めた。




まずは宅八郎から。




声が小さ過ぎて何喋ってるかわからない。




リバース石嶺の番。




『※●×キーン▼◎キーン




こちらは、声がデカ過ぎて何言ってるかわからない。



いい勝負だ。




『ピーッ




ホイッスルが鳴り、決勝戦がスタートした。




リバース石嶺は熱々のジャンボ餃子を口に入れると、一気に飲み込む。




あっという間に、一皿3コを完食した。




ギャラリーから歓声が起きる。




いつのまにか周囲は異様な熱気に包まれていた。




一方の宅八郎氏はというと、ジャンボ餃子を箸で丁寧に切り分け、まだ1個目の半分程度。




リバース石嶺は二皿目を食べ始めた。




ジャンボ餃子を1個口に入れ、水と一緒に飲み込む。




そんなリバース石嶺のパフォーマンスに観客は盛り上がった。





ちょうど宅八郎氏が一皿食べ終わる頃、リバース石嶺は5皿目に突入していた。



誰もがリバース石嶺の勝利を疑わなかった。




しかし調子に乗りすぎたリバース石嶺に、本日2度目のアクシデントが襲った。



勝利を確信したリバース石嶺は、5皿目の最後の1個を口に入れると、水ではなく今までつけなかった、餃子タレを口に流し込んだのである。




皆さんご存知の通り、餃子タレは、醤油、酢、ラー油で構成されている。




しかし、リバース石嶺が流し込んだタレには、醤油が入ってなかったのである。



酢とラー油…




醤油が入って無いだけで、これ程キケンな物はあるだろうか?










案の定、リバース石嶺はかなりの勢いで、咳き込んだ。




口の中は、ジャンボ餃子に酢とラー油が、ごちゃ混ぜである。




リバース石嶺は無理やり水で流し込もうとした。



















今度は喉に詰まり悶絶している。









リバース石嶺の顔色がどんどん紫色になる。








『プッシャアアアア











息ができずに、失神したと同時に彼の口から『剛掌波』が放たれた。








現場は剛掌波から逃げ惑う人々で、騒然となる。









やがて、現場には救急車が呼ばれ、彼は運ばれて行っ。








そんな大騒動の中、淡々と6皿食べきった、宅八郎似の大学生が優勝した。









優勝インタビューも何喋ってるかわからなかった。









その後、リバース石嶺は救急車の中で意識を無事取り戻し、その日のうちに家に帰っていった。











その日から石嶺君は、リバース石嶺と呼ばれる事になった。









終わり…
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