【新】闇の黒蝶

□part3
1ページ/4ページ


sideイルミ



今日は親父からの命令で流星街に来ていた。
もちろん遊びじゃなくて、暗殺の仕事。

俺らゾルディック家は代々有名な暗殺一家だ。

俺はその長男で、幼いころから暗殺訓練を重ねて、16歳で仕事をこなしていた。


今日の暗殺依頼はある男の抹殺。
人さらいを重ねて、ついに大富豪の娘に手を出したらしい。

その彼から暗殺依頼がかかった。


居場所がわからないので有名な情報屋に頼み、男が流星街にいることがわかった先ほど、たまたま近くにいた俺に親父から連絡が来た。

そのまま依頼達成のために聞いた場所に移動していると、目的の男の背が見える。

俺はそのまま男を蹴り飛ばすと、意識を失った男にとどめを刺すために近寄ろうと足を踏み出した。


「っ」


目の前には少女がいた。
男の背で気づかなかったが、少女は無残にも服を破られ、つるに拘束されていた。

一瞬あのさらわれた大富豪の娘かと思ったが、彼女はすでに売られてどこかに連れ去られたと聞く。


少女は12歳ぐらいだろうか。
紫色の髪に、赤い目が印象的で、顔は恐ろしく整っている。

切り裂かれた服や絡みついたつるも反映して、目の前にいる少女が卑猥に映る。


このまま見つめていると危ないことを考えてしまいそうで、それを紛らわすために素性を聞いた。


「君、だれ?」


少女は目を見開いてこちらを見た後、安堵の表情をうかべた。

今まさに犯そうとしていた相手が気絶して安心したのだろう。
俺が襲う可能性は想像しないのだろうか。

まぁ、襲う気なんてないけど。


「あたしはレイ。あなたは?」




次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ