【新】闇の黒蝶

□part4
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あれから数年がすぎて、あたしは18歳になった。


あの日の出来事は今でも鮮明に思い出せるし、忘れられない。

襲われた恐怖。
自分の甘さゆえの後悔の念。
そして、彼に対しても感謝。

思えばあのときからあたしは彼に惹かれていたのかもしれない。

圧倒的な強さ、そしてさりげない優しさ。


死を覚悟したあたしにもう一度希望をくれた。

この恩は忘れないし、絶対に返したい。


彼の役にたちたい。


その一心で、この六年間毎日修行に没頭した。

ほかに遊ぶことがないこの世界では、修行以外でやることがない。

その結果、あたしはとても強くなった。


念も習得し、体力づくりに力をいれていたことで反射能力や五感が鍛えられた。

そこらへんの雑魚や念つかいが相手にならなくなってきたことが、とてもうれしかった。



反面、裏の仕事も始めた。

彼は裏の人間だ。表にいては、絶対に会えない。


だからあたしはアキラの情報屋の仕事を手伝いながら並行して自分の情報屋をはじめた。

正確には、情報兼暗殺屋だ。


最初は暗殺だけにしようと思ったけど、情報も扱っていればいつかは彼にたどりつけるんじゃないかと思ったから。


いつしかあたしは【闇の黒蝶】といわれ、有名になっていた。





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