□お仕置き
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悲しいわけじゃない。
この行為がイヤなわけでもない。

ただ、イルミとケンカしたままお仕置きという形で初めてを…失いたくないだけ。



「イルミっ」



「レイ…」



ゴメン。と小さく呟いて、イルミはようやく刺激をやめた。


そして泣いてるレイの涙を優しくふきとる。



「ずるいよ。…レイが悪いのに、」


「うんっごめんなさい…」



そう言えば、イルミはレイを抱き起こして抱きしめた。



「俺がなんで怒ってたかわかる?」



「っわかん、ない…」



イルミは軽くため息をつくと耳元で優しく言った。



「レイが俺の約束破ってまで、キルといるから。そのうえあんなに楽しそうに笑ってるし。
…レイは俺のものなのに。」



芽生えた独占的。
そして初めて抱いた感情…嫉妬。


今までこんな気持ちになったことなんてなかった。

なる必要もなかった。



俺にはこんな感情いらないはずなのに。

レイに対してこんなにも強い感情を抱くなんて、前じゃ想像もできなかった。


レイは俺を人間にしていく。

暗殺業では邪魔な感情なのに、不思議とイヤな気持ちにはならなかった。


むしろうれしいとさえ思う。

でもだからこそ。



「逃がさないからね」



一生…ね。






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