2
□お仕置き
3ページ/3ページ
悲しいわけじゃない。
この行為がイヤなわけでもない。
ただ、イルミとケンカしたままお仕置きという形で初めてを…失いたくないだけ。
「イルミっ」
「レイ…」
ゴメン。と小さく呟いて、イルミはようやく刺激をやめた。
そして泣いてるレイの涙を優しくふきとる。
「ずるいよ。…レイが悪いのに、」
「うんっごめんなさい…」
そう言えば、イルミはレイを抱き起こして抱きしめた。
「俺がなんで怒ってたかわかる?」
「っわかん、ない…」
イルミは軽くため息をつくと耳元で優しく言った。
「レイが俺の約束破ってまで、キルといるから。そのうえあんなに楽しそうに笑ってるし。
…レイは俺のものなのに。」
芽生えた独占的。
そして初めて抱いた感情…嫉妬。
今までこんな気持ちになったことなんてなかった。
なる必要もなかった。
俺にはこんな感情いらないはずなのに。
レイに対してこんなにも強い感情を抱くなんて、前じゃ想像もできなかった。
レイは俺を人間にしていく。
暗殺業では邪魔な感情なのに、不思議とイヤな気持ちにはならなかった。
むしろうれしいとさえ思う。
でもだからこそ。
「逃がさないからね」
一生…ね。
→