SP
□傭兵と僕
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というか毎回毎回ガラス壊して侵入してくるんだから困ったものだよ。寒いしガラス代だってバカにならないのにさ。
「やあモール、僕の部屋に入る時はちゃんと開けるんだから合図してくれっていつも言ってるだろ?」
「アホ!俺は一時間以上合図してたやないか!それなのに呑気に読書して気が付かなかった空気読めないアホはどこのどいつや?!」
「あっごめんごめん読書に夢中になってて合図してくれていた事に気がつかなかったよ!はははは」
「…てめぇ…俺の存在気ついてたんにわざと開けへんかったな」
おやおやこの犬はどうやらカンの方はあるらしい。カンが冴えるのは重要だからこれは頼もしいな。
「僕がそんな薄情な人間だと思ってるのかい?…酷いなあ。そんな事より体が冷え切ってるじゃないか、なんでそんな薄着で来たんだい?」
「誰かさんが放置プレイしてくれないですぐ開けてくれたら寒い思いしなくてすんだんけどな」
「君は放置プレイされるのが好きなんだからいいじゃないか」
「アホ!誰が放置プレイが好きなんて言ったんや!放置プレイ好きはお前やろ」
そりゃ普段死ねだのアホだの変態だの暴言ばかり言ってる犬が開けて貰いたくて健気な姿なんて可愛いし愛されてると感じれるし長い間見ていたいと思うじゃないか。まあそんな事は本人には絶対言わないけどね。
あと僕は放置プレイするのはいいけどされるのは大嫌いなんだよね。だから訂正するとモール相手に放置プレイをしている僕と必死なモールが好きなだけさ
「…僕はそんな下品な趣味は無いよ失敬な奴だな」
「…はぁそーですかそーですか。もうこの話題はええわ。
…今日俺を呼んだ理由は何やねん?」
僕がこれ以上この話題に触れる気がないのを感じ取ったらしくモールが話を切り返してきた。うんうん。それでいい。時間は有効に使わないとね。