おおふり
□水谷文貴のバレンタイン大作戦
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「…(相変わらず阿部は水谷には容赦ねえな)まっ、まあそれは置いといて、お前なんでそんなにニヤニヤしてたんだ?」
「あっ、幸せそうだったのわかるわかるー?流石花井だ!…どこぞの副キャプと違ってちゃんと聞いてくれた!」
やっぱり花井は凄いなあ…オレがノロケたい気分なの察してくれて質問してきてくれたよ!
「へへっ今日はなんの日でしょーか?」
「…(だって如何にも聞いてきて欲しいってオーラ出して来るんだから聞くしかねぇだろ。つーか女見たいな喋り方すんな!)…えーっと何だっけ?」
「クソレが一番早く朝練に来てたあり得ない日。明日はきっと槍が降るな。それか隕石が降ってくるかして地球滅亡」
「もー阿部は黙ってろよ!…えーと正解は今日は2月14日バレンタインデーでーす!」
スルースキルの高いオレは阿部のひっでぇ言葉なんか気にして無いから怒らないし悲しまないもんね!どうだこの完璧なスルースキル!(※スルー出来てない)
「「………」」
あれれ?阿部の言葉を華麗にスルーしてバレンタインデーだってことをニコニコしながら話したら、阿部だけじゃなくて花井までもが冷めた目でオレを見てきたよ?!なんで?!
そりゃあドSでド鬼畜な阿部が冷たい視線送るのは分かるけどさあ…頼れるキャプテン花井にまでそんな冷たい目でオレをみないでよ!オレって繊細な心の持ち主だから泣いちゃうよ?西浦のお母さんな栄口に、『同じクラスの二人が冷たくしてきて酷いから7組みに居られないんだ』とか言って昼休みに頭撫でて慰めて貰っちゃうよ?
「はあ…んな事で朝っぱらからニヤついてたのかよ。くっだんねー」
「くだらなくないって、男にとっては一大事だよ一大事!今まで貰ってたチョコがある年急に貰えなくなった…なんてことが起こったら、オレに何か原因があって嫌われちゃったって事じゃん!
「あー確かにお前甘いもの好きだし、沢山チョコ貰うもんな」
「確かにコイツのチョコの数は半端ねえよな…よくこんな奴にチョコ渡す気になるよな」
「「義理チョコばっかだけど」」