稲妻11

□さよならは言えなくて・・・
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「おい!バーン早く!!!こっちだ!」




そういって俺の愛しい人は俺を手招きしている




「何をしている!早くしないと全部回れないぞ!」




今度は腕をぐいぐい引っ張ってくる




「せっかく私が考えたデートプランを踏みにじるようなことは許さんからな!」




少し怒ったような表情をして俺にアッカンベーをしてきた
そんな表情さえも俺には愛しく見えた
楽しい時間は過ぎるのが早いとはいったもんだ
気づくとあたりは暗くなっていた・・・・




「今日は・・・なかなか楽しかった・・・・ぞ//////」




ガゼルは俺の裾を掴みながら下を向いていた




「ああ、俺も楽しかったよ」




「そろそろ私は帰る!また・・・・明日な//////」





「あっ!家まで送っていくぜ」




「いい・・・近くだから一人で帰れる・・・・//////」




「そうか、じゃぁ明日な」




一本の道を俺たちは逆の方向に歩き始めた




キキッーーーーー!!!
ガシャンッ!!!




歩き始めようとした瞬間ガゼルが歩いていった方向からものすごい音が聞こえてきた
そのとき俺の心にはある不安がよぎった




(ガゼル!?)




俺はガゼルが歩いていった方向に走り出した




(お願いだ!ガゼル・・・・無事で・・・無事でいてくれっ!!!)




走っていった先にはたくさんの人がいた
どうやら事故があったらしい




「はぁ・・・はぁ・・・・・・・・ガゼルッ!!!」




俺は愛しい人の名を呼んだ




・・・・・しかし返事はない




「ちょっと・・・すみません通してください・・・・」




俺は人ごみの中前へ進みなにがあったのか見ようと思った



5人




10人




17人




たくさんの人の間を通った
そしてようやく一番前に出れた




「ッ!!!!!」




そこには俺がこの世で一番見たくないものがあった








美しい顔のまま倒れこんでいる俺の恋人









「ガゼルッ!ガゼルッ?ガゼルッ!!!!!」





入るなと止める人の声も聞こえない
俺はただガゼルを抱きしめ声をかけつづけた




・・・それでもガゼルからの返事はない




「ガゼルッ!死ぬな!!!ガゼルッ!ガゼルッ!!!!」









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後で聞いた・・・・
あの事故は横断歩道を渡ろうとしていたガゼルに信号を無視した車が突っ込んだらしい





もしあの時俺が家までちゃんとガゼルを送っていたら
ガゼルが死ぬことは・・・・




「ガゼル・・・ガゼルッ!ガゼルガゼルガゼルガゼルガゼルガゼルガゼルガゼル!!!!」








このときから俺の時間は止まった
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