小説 復活

□笛の音
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♪〜〜♪♪〜〜♪〜〜〜


これは、誰が奏でているのだろう?









笛の音








♪〜〜♪♪〜〜♪〜〜〜







「誰が奏でているのでござろう?」


仕事が終わり、プリーモことジョットに報告をしようと、執務室へ向かって歩いていた雨月は、自分の持っている笛と同じ音色が聞こえ、それを聞きながら歩いていた。

かなり歪だが、気を悪くはしない音色だ。
雨月は、報告を終えたら、この音色を奏でている人物を捜そうと決めた。

だが、執務室に近付くにつれ、音色がよく聞こえてきた。


(執務室にいるのでござろうか?)


執務室には大抵、ボスであるジョットとその右腕であるGしかいない。
たまに他の守護者もいるが、思い浮かべてみても、自分以外に日本雅楽を演奏できる者はいない。


(拙者以外に、日本人がいるのでござろうか??)


取り敢えず執務室に向かい、辿り着いてドアをノックしようとした、その時。




♪〜〜♪♪〜〜♪〜〜ビィィ〜〜〜〜




ガクッ




(…………え〜〜と、この音の外した方………どこかで……、って彼しかおらぬか)


何やら聞き覚えがある外れた音を、雨月は思い出し、ドアの向こうにいる笛を奏でていた人物が誰なのかが解り、苦笑して溜め息を吐いた。



コンコン




「プリーモ、失礼するでござるよ」


そう言って入ると、顔を真っ赤にしながら、後ろに何かを隠すように慌てふためくジョットがいた。



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