小説 ふし遊

□君の匂い
1ページ/6ページ


「たぁ〜まちゃん、たすきぃ〜。どうしてこうなったのか、ちゃーんと判ってるぅ?」

「「……はい」」


今、朱雀の巫女を守る、朱雀七星士の鬼宿と翼宿は、同じ七星士の柳宿と星宿の目の前で正座させられていた。

どうしてこうなっているのかと言うと、先程鬼宿と翼宿がいつものケンカをしたのだが、今回のケンカにトラブルが生じたのだ。

それは彼らの巫女・美朱を池に落としてしまったのだ。庭園で殴り合いのケンカになる寸前のところで、美朱が止めに入ったのだが、それを振り払った拍子で池に突き落としてしまったのだ。池はだいぶ深かったが、美朱は自力で泳いで陸に上がったのだが、彼女の髪や服はずぶ濡れだった。


「まーーーったくっ!!張宿が井宿と軫宿を呼んで来なかったら、美朱が風邪ひいたかもしれないんだからね!?

「あれだけ他人には迷惑をかけるなと言ったというのに、よりによって美朱を池に落とすとは何事だ!?

「「……申し訳ございません…」」


二人は土下座して謝った。いや、本来ならまず美朱に謝らなくてはいけないのだが、今は目の前にいる片や一国を治める皇帝陛下と、片や美朱の姉貴分(?)の怒りを身に受けながら、反省してますと冷や汗をかきながら謝った。


「大体、ケンカの原因は何なのよ!美朱が止めようとする程発展したケンカの原因はっ!?」


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ