Book・Clap
□借り暮らしのロロノアッティ
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ロロノアッティはあるアパートの一室に住み着いている小人。
小人たる者、普通の人間に見られてはならない。
ある晩ロロノアッティは自慢の三本縫い針を腰に携え、ベッド脇、付けっ放しの照明の元、仁王立ちしていた。
主である女の寝息が静かに響く寝室。
ぶーーーん……
「こにぎりッッ!!!」
ぽとり……
「ハッ……蚊如きがおれの相手になろうなんざ100万年早ェ。」
例え小人であろうと武士道を重んじるロロノアッティは借り暮しであるからして、その恩は毎夜律儀に返すのである。
おわり。