Book・Clap
□メリー
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仕事終わりに待ち合わせ。
デリを買い込み、並んで帰路につくクリスマスイブ。
テーブルにキャンドルをひとつ。
ほのかな明かりは、満足そうにワインを煽るあなたを照らした。
淡い色彩がわたしたちを包む。
「……サンタクロースって、本当にいるのね。」
「会ったのか?」
「うん。それに素敵なプレゼントをもらったの。」
「そうか。…じゃあ、そのサンタクロースって奴に会ったらよろしく言っておいてくれ。おまえが世話んなったからな。」
「……それはちょっとややこしくなるわ。」
この安らかな時間を欲しがった、わたし。
もたらした、あなた。
緑頭の恋人は、わたしだけのサンタクロース。
fin