Novel
□雨音の旋律
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「その声・・・・・・獄寺君?」
ツナは仲間と会えたことで嬉しくなって叫んだ。
「10代目っすか! ・・・・・・どうやら俺達、
捕まったみたいっすね」
向こうから聞こえる獄寺の声にも、明るみがさしている。
「うん・・・・・・俺、今眼、覚ましたから、全
然状況が分からないんだけど・・・・・・」
ツナがそういうと、しばらく間があり、ま
た獄寺の声が聞こえた。
「俺が眼を覚ましたのは、結構前なんスけ
ど、どうやら、15分おきに看守が見回りに
来るみたいっス」
「そうなんだ・・・・・・」
「ところで、10代目の向こう側の牢には、
誰がいますか?」
獄寺にそう質問され、初めてツナは向こう
側にも誰かいるかもしれないということを知った。
ツナは向こう側の壁を叩いてみた。する
と、先ほどと同じように叩く音が返ってきた。
「あの、俺だよ、沢田綱吉」
おそるおそるツナがそう言ってみると、
「・・・・・・ツナか! お前、ツナなんだな!」
という答えが返ってきた。
「あ・・・・・・」