Novel
□雨音の旋律
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「朝ご飯は?」
「いらないよ! 行ってきます!」
慌てて家を飛び出したのは、
イタリアのマフィア、
ボンゴレファミリーのボス、
沢田綱吉だ。
今までの間、ヴァリアートの死闘など色々あったが、
今は何とか平和に暮らしていた。
しかし―。
並盛中学校へと向かうツナの事を、
見つめる二つの眼差しがあった。
「ミア、アレがボンゴレファミリーのボス、
沢田綱吉だってよ」
一人の、長身の男が、もう一人の男に話しかける。
「なんだあ。あれ弱そうじゃん。ボク一人でも絶対に殺せるよぉ〜」
ミアと呼ばれた方の男が、手に短剣を握り締め、にっこりと笑った。
「やめろ。今は沢田綱吉率いるファミリーの確認をボスに報告することだ」
長身男が、ミアの短剣を持つ方の手を抑えた。
「ちぇっ。リエンは洒落の分からないオトコなんだから」
ミアはリエンの厳しい眼に睨まれ、
渋々短剣をリュックの中にしまいこんだ。