Novel

□雨音の旋律
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「山本! 山本なんだね!」


ツナも、声で向こう側にいるのが山本だと分かった。


「獄寺君、俺の向こう側にいたの、山本だった!」


嬉しくなって向こう側にいる獄寺にそう話
しかけたが、返答はない。どうやら、自分
の向こう側の人と話しているようだ。


「ツナ、ツナ」


向こうにいる山本から、声をかけられてツナは山本側に移った。


「俺達、どーなってんだ? 一体、何があって・・・・・・」


山本も困惑しているようだ。


「俺も、よくわかんないだ。獄寺君に聞こ
うと思ったけど、誰かと話中みたい」


山本はふぅん、と言ったっきり黙ってしまった。
そして、残念そうにこう言った。


「今日、野球の試合だったんだけどな」


その声からして、山本がどれだけ今日の試
合を楽しみにしていたかが分かった。
ツナはどうしていいかわからなくなり、話
の方向を変えた。


「ところで、山本の隣は俺と、誰?」
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