Novel
□雨音の旋律
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「? 俺の隣か? ・・・・・・ちょっと間ってな」
しばらく間があった。
その間、ツナは性格からか、嫌なこと、最
悪のことばかりを考えてしまった。
(もし、このまま殺されたりしたら・・・・・・)
だがすぐに持ち直し、気を確かに持て、絶
対にここから出るんだと決意をした。
「ツナ!」
待ちわびていた山本の声がした。
「どうだった???」
「俺の隣は、笹川先輩だったぜ」
「お兄さんか・・・・・・」
どうにかして、ここを出なくてはいけない。
作戦を練ろうとしたときだった。
どこからか。カツーンカツーンという足音が聞こえてきた。
(見回り・・・・・・!)
ツナは急いで壁から離れた。山本も、気づいた様だった。
見回りに来たのは、20代後半の黒ずくめの男、二人組みだった。
右の男はランプを持ち、左の男は果物ナイ
フと拳銃を装備している。
次々と牢獄の中を覗いている様だった。
二人は一言も喋らず、その為足音だけが不気味に響いていた。
その音が、綱の恐怖心をいっそう駆り立てるのだった。