*子猫シリーズ*
□子猫シリーズ:猫か人か・・・どっちだ!?
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困った事が起きてしまった。
フラウに拾われてきた導きの天使の子供テイト。
まだしゃべったところは見ていないが、人とのふれあいの中で言葉を覚えるだろう。
そう結論されてから一週間経った、その日のことだ。
「ガキが苦手ってなるとやっぱり猫か?」
「でも人の生活習慣に合わせきれているので人として育ったはずですよ」
「もしかしたら騒がしいのが苦手なんじゃないの〜?」
フラウ、カストル。ラブラドールの(見習い)三司教は、午後のティータイムをすべくラブラドールの庭園(教会の敷地内だが)に集まった。
ちなみにテイトはフラウの膝上でシスターが焼いてくれたクッキーをあぐあぐと咀嚼している。気に入ったのか、食べ終わるともっととクッキーの入った袋に手を伸ばすので、フラウが一つ取ってその手に握らせる。ついでに口元にくっついている食べ滓も綺麗に拭き取る。
一週間経ったが、なかなかフラウの保護者ぶりは目を見張るモノがある。もともと子供には気に入られやすい性格だったのだが、普段からの粗暴な態度から周りはヒヤヒヤしていた。
しかし蓋を開けてみれば、フラウはテイトを大切に育て、しっかりと面倒を見ている。
「すっかりシスター達にも可愛がられちゃっているみたいだね。そういえばジオ様は『孫が出来たみたいだ』って言ってたよ」
確かにフラウはジオ大司教にとっては息子みたいなものだが・・・。
「ですが・・・孤児の子供達の中に馴染めないとなるとフラウが大変ですよ。あなたも司教見習いとしての仕事はたくさんあるのですから」
「僕たちが交代で面倒を見ればなんとかなるだろうけど・・・」