小説

□君の瞳
1ページ/2ページ


「サソリの目ってさ」







無邪気に君は言った。







「綺麗だね」











「ガラスだからな」

「あ、そこは普通謙遜とかするんじゃないの?」

「何故そんなことする必要がある」

「あー。あー…。うん。ないです」






「お前の方が綺麗じゃねえか」



「綺麗な人間の瞳だ」









「え…」



「嘘」

「もーサソリったらツンデレなんだから」

「…眠くなってきやがった…まだメンテ終わってねぇってのに」

「スルーですかそうですか」

「わりーがオレは寝るぜ。傀儡いじんじゃねーぞ」

「うん全部壊しとくね」

「やれるもんならやってみろ」

「…サソリって感情の上げ下げないよね…。いつも冷静すぎるって…」

「…人形だからだろ」

「…あ」

「年も取ったしな」

「…はは」

「じゃーな、寝込み襲うなよ」

「襲わないし!」







そうさ僕は。




君が好き。

君の声が、君の言葉が、君の香りが、君の笑顔が、




君の瞳が。





end.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ