小説
□君の瞳
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「サソリの目ってさ」
無邪気に君は言った。
「綺麗だね」
「ガラスだからな」
「あ、そこは普通謙遜とかするんじゃないの?」
「何故そんなことする必要がある」
「あー。あー…。うん。ないです」
「お前の方が綺麗じゃねえか」
「綺麗な人間の瞳だ」
「え…」
「嘘」
「もーサソリったらツンデレなんだから」
「…眠くなってきやがった…まだメンテ終わってねぇってのに」
「スルーですかそうですか」
「わりーがオレは寝るぜ。傀儡いじんじゃねーぞ」
「うん全部壊しとくね」
「やれるもんならやってみろ」
「…サソリって感情の上げ下げないよね…。いつも冷静すぎるって…」
「…人形だからだろ」
「…あ」
「年も取ったしな」
「…はは」
「じゃーな、寝込み襲うなよ」
「襲わないし!」
そうさ僕は。
君が好き。
君の声が、君の言葉が、君の香りが、君の笑顔が、
君の瞳が。
end.