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□戦闘
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中忍試験で音・砂が攻撃を仕掛けてきてからもう、一ヶ月が過ぎようとしていた。
砂はすぐに負けを認めて同盟を結び直したが、音の国が弱った木の葉を壊そうと迫ってきていた。
最初のうちは大蛇丸が三代目によって怪我をしたためにあまり派手なことはなかったが、新しい火影が立った矢先に戦争は開始されてしまった。
それは、中忍試験の攻撃からまだ二週間というところだった。
先の戦いで大打撃を受けていた木の葉は立ち向かうも良い状況とは言いがたかった。





「とにかく、火影岩の上の広場に避難して下さい、ここにいたら巻き添えを食う恐れがあります」

叫んでいるのは木の葉の下忍。
中忍・上忍は戦いに出ているため里内にはほとんどいない。
そして、中忍試験第三試験までいった五人は中忍に一番近い存在として、現在、里内の中心となっている。



所変わって、木の葉の病院

「ねぇ、シカマル。どうしよう」
「どうしようって言っても今の俺らが戦地に行ったくらいじゃ何も変わらねぇだろ」
「そうだけど…」

怪我人を運んで来て、入院している人の数に驚いた。
それを見たナルトは顔を真っ青にしてしまっている。

「まさか、こんなに酷くなるなんて…もしもの時は頑張るしかない…かな」
「次は順番からいって俺達が行く番だから…その前にはな。あぁーめんどくせえ」

二人は少し顔を暗くしながら話している。



「火影様、里内にも音の忍が入ってきています」
「…分かった、とにかく里人だけでも守るんだ」

忍たちの努力もむなしく、とうとう里も戦場となってしまった。

(火影になったばかりだというのに…)
大変な時に帰ってしまったとしか言いようがない。
(…?)

考えにふけっていると、少しざわめき方が変わった気がした。
周りに注意をうながすと

「お前が犠牲になれよ化け狐、何なら音にお前を渡して戦いを止めてもらおうか」
「そうだ、生きているだけでも罪なんだからたまには役に立て」
「お前でもそれくらいの価値はあるからな」
「いや…逆にそれでしか役に立たないんだから」

ナルトが里人に責められていた。
石を投げている人もいる。

「こいつは、何も悪くねぇだろうが」

その隣ではシカマルがいつものめんどくさがりを捨ててナルトを必死に庇っていた。
悪口を言われている本人はいつもよりは元気がないように見えるがそれでも、シカマルの手をしっかり握り前を見て歩いて来ていた。

「お前等、自分が今辛いからって人に当たるんじゃないよ、大人げない」

綱手の言葉に周りでうろたえていた同期達も頷く。

「それに建物に埋まってしまった人を助ける為に危ないところに行ってる奴に価値がないだって?」
「それは…」
「確かお前の弟を救出したのはナルトだったよな?」
「…」
「ばあちゃん、そんなの気にしなくていいから」

だんだんきつくなってきた綱手の言葉にナルトが慌てて綱手の腕を引っ張って止める。

「私が認めた奴が責められているってのに黙っとけと言うのか?見て見ぬふりなんて嫌だよ」
「…ありがと」

ナルトは目を見開いた後、照れ臭そうにでも嬉しそうに笑った。



「それよりもばあちゃん、俺達も戦わせてほしい」
「なっ…いきなりなんだい?…馬鹿言うんじゃないよ。いくら強くなってきたからって、まだ下忍なんだ。殺されに行くようなものだぞ」

突然の訴えに理解が少し遅れてしまった。

「その点は俺達なら大丈夫だと思います」

反対くらいしてくれるだろうと思っていたシカマルもナルトに続いて言う。

「…根拠があって言っているのか?」

二人は同時に頷く

「確かに、いつもの俺だと殺されてしまうってば。でも、今はシカマルと一緒だから負ける気がしない」
「少し時間はかかるけどな」
お互いに負けないことを信じきっているようだ、顔に不安が見られない。
「…そこまで言うなら信じなくもないが、何か作戦でもあるのか?それに負けないだけでは今までと殆ど変わらん。それなら、行かない方がこっちは安心する」

シカマルのIQについては調査済み。
だから、何かよい方法が有るのだろうが実行力が心配。
それはもっともな意見で、近くにいたシズネや同期達も頷いている。

「勝つことは保証出来ないけど、状況位なら変えれると思うってばよ」

それでも、食い下がろうとはしなかった。

「状況とは?」
「まぁ、里の中から追い出す位は出来んじゃないっすか?」
「…」

やはりまだ信じきれないが、今は藁にでも縋りたいような状況なので、そこまで自信があるなら頼りたい。

「はぁ…分かった。だが、何があっても援護は期待するな。そんな余裕はない」
「ちょっと綱手様、そんな無茶なことっ」
「「分かりました。有難うございます」」

シズネの反論を遮り二人は声を揃えて答えた。
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