Lucky☆Prince

□002☆初めてと嫉妬
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千石side


初めてだった。


だからかな?


こんなにワクワク、ドキドキしたのは。





俺は他校合同練習試合に来ていた。


結構な人数がいて

いろんな学校がたくさん来てるんだなあっと思ったけど

三分の一くらいは

氷帝の観覧者だ。


さすがだね〜。



ん?あの子可愛い。


「ねぇねぇ君っ!可愛いねぇ、デートしない?」


といつもの調子で女の子をナンパする。


このくらいの規模のひとなら

可愛い子は大体声をかけ済みだ。



そう、

だから

君は新しかったんだ。






俺が試合を6-0で終えて

コートから出ると

知らない女の子から声をかけられた。



逆ナンとかじゃなく

お疲れ様だけだったが


初めてだった。


女の子から声をかけられたのは。



いつもは俺からだった。


けど

君はちがった。



「お疲れ様です、みかんくん!」



その言葉に

運命かなにかを感じたんだ。


俺は君の言葉が気になったので

立ち止まり確認してみた。


なんで…みかんなんだろう?



「はは、ありがとう

みかんくんてもしかして
…俺のこと?」


きっと俺の名前を知らないんだろう。

少し残念だった。



案の定、君は
もちろん!と答えた。


やっぱりか。

君はごめんねと言う。


うん、
名前を知らないとしても

みかんくんて、

完全に見た目だよね、、


頭の色がオレンジだから?
と聞くと

やはりそうだった。


以前南に
チャラチャラしたイメージだと

言われたことがある。


まあチャラチャラしてなくはないけどね、

きっと君もそういうイメージを持っているだろうと思うと


少し悲しくなった。


「綺麗なオレンジ色だよね、
みかんみたいっ
私みかん色大好きなんだっ」



カナリ驚いた。


そう言われたのも初めてだった。


素直に嬉しかった。


おそらく君はお世辞とかじゃなく

純粋にオレンジが、

みかん色が大好きなんだろう。


さっきみかんくんみかんくん
言われたからか

まるで自分のことを大好きと言われた気分になった。


ドキドキした。


そしてワクワクした。

そんな君をもっと知りたいと思った。


いままでとは違う

自然にでた微笑み。




俺の中で

何かが動いた。



「このみかん、食べるのもったいないや。」




俺はもらった顔つきのみかんを

大事にポケットにしまった。
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