Lucky☆Prince

□002☆初めてと嫉妬
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跡部side



俺はずっと好きだった。



ウィザードの両親がなくなってから


俺の家に来たときから


お前は俺の特別だった。




なのにお前は…


見向きもしてくれなかった。



まるで兄弟のような接し方で。



そんな優しいお前が好きだったが


特別に、特別な男として


どうしても見て欲しかった。




こんなガラじゃねえ俺が


ずっと、ずっとだ。




あいつの恋沙汰は聞いたことがねえ。


第一ずっと一緒にいたんだ。


あいつの初恋はまだなはずだ。




だから


恋愛に興味がないんだと勝手に思い込んでいた。




だが、それが今


はっきり違うとわかった。



まだ出会ってなかっただけだったんだ。




「みかんみたい。」


跡「あーん?」



嫌な予感がした。



「ほら!あそこの人!

綺麗なみかん色の頭してる!」




そう言って指差すウィザード。


その先には…


山吹の千石だった。



まさかとは思うけど…



まさかだよなあ、あーん?




跡「山吹中の3年千石清純だ。

…気になんのか。」



もしウィザードの初恋があいつだったら



俺は許さねえぞ、絶対許さねえ。



なんかあいつは気にくわねえんだ。



「景吾…?」


ウィザードが俺を気にしてる。



俺は無性にほっとした。



このまま、俺だけ気にしてればいいのに。


と思ったからか



跡「なんでもねぇよ。」


と話をそらした。



考えてればいい


余計なことは考えんな。


俺だけ…俺だけでいいんだよ。
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