Lucky☆Prince

□003★偵察の君
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『あっ!!』



突然のその声に振り返ってみると


最初に目に入ったのは、


オレンジの頭。


ニッコリ笑うその人は



『…千石さん!!』



千「久しぶりだね〜。

忘れられてたらどうしようかと思ったよ。」



『忘れるわけないよっ!』




忘れるわけない。



だってあれから1週間しかたってないし、


毎日のように、


昨日もオフだったけど


ついさっきも思い出してた。




また会いたいと思っていたけど



まさかこんなすぐに会えると思っていなかったので


嬉しかった。




千「よかったよかった!」



『でも!どうしてここに千石さんが?』




千石さんはこの間のユニフォームではなく


山吹中の制服を着ていた。


白い学ランなので


よりいっそう頭のオレンジを際立たせている。



綺麗で、かっこいい。



練習試合にきたわけじゃあないのかな?



千「ここに来れば、シャバドゥビさんに会えると思ってねっ」



『え?』




え!


私に会いにきたの…?



な、なんで!?



私はその言葉に慌てる。



千「あははっ可愛いねシャバドゥビさん。」



え!?


可愛いと言われてさらにあたふたと慌てる。



私がひとりで半パニックに陥ってると



千「あ〜こないだのみかん…




跡「何をしているウィザード!」




『へ?景吾?なんで?』



まだ練習してるはずと思って


コートを見ると

部員たちはコートからいなくなっていた。




跡「とっくに休憩に入ってるぞ。

お前はマネージャーじゃないのか、あーん?」



『あっごめん!気づかなかった!』



慌てて私がドリンクを取りに向かおうとすると



景吾はもういい、次の休憩は忘れるなと

言い引き止めた。




私は少ししゅんとなりもう一度ベンチに腰掛けた。



跡「偵察か?千石。」




千「やあ、あっとべくん、この間ぶりだね。」




ん?てい、さつ?


私は景吾の言った言葉に赤面する。



ななな、なんだっ偵察だったのねっ!




さっきの千石さんの言葉が


完璧にお世辞とわかり、一人恥ずかしくなった。



大体、こないだ会ったばかりの人に

わざわざこんなところまで会いに来るはずないのに!


でも、お世辞でも、


少し嬉しかったなあ。



『せ、千石さんはよく偵察にくるの??』



千「うん、今年は今日が初めてだけど、

去年はちょくちょく来てたよ〜!」





『そ、そーなんだっ』



だから景吾もすぐに偵察ってわかったんだね…
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