切なさと愛しさの間
□第四章 お久しぶりです!万事屋銀ちゃん!
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昔のことを思い出し浸っていた私に銀ちゃんが口を開いた。
「あの時は悪かったな・・・」
『えっ??!!』
いきなりの謝罪にびっくりする私。
「ちゃんと説明もしないでいきなり辞めろなんていってよ・・・」
『銀ちゃん・・・』
銀ちゃんもあのファミレスでの事、思ってたんだ・・・。
そう思うと私の頬は自然と緩んだ。
『ほんとだよ。あの時はショックだったんだよ・・・。』
「サリンダ;;」
『・・・でも』
『銀ちゃんが否定した意味少し分かったような気がする・・・。鬼兵隊って危険な人達が多いって噂されてるの多いもん・・・。そんな人達の中に私を入れたくなかったんでしょ??』
「・・・・・」
『・・・ごめんね銀ちゃん・・・謝るのは私の方だよ、一方的に勘違いして怒って・・・。あの時は本当ごめんなさい!!』
私は銀ちゃんの方へ向かって頭を下げ、謝った。
すると、少しの間の後、昔と変わらない銀ちゃんの声が聞こえた。
「・・・ほんとだよ!あの後、サリンダがいなくなった後、銀さんショックで激やせしちゃったんだから!甘いのも食べらんなくなって糖尿病克服出来ちゃうんじゃないかって思ったよ!!」
『そんな大げさな・・・クスッ、でも相変わらずだね、銀ちゃんは!!』
「まぁな・・。
そういうサリンダはどうなんだ??」
『えっ?』
「うまく仕事やってんのか??」
どきっ。
私は銀ちゃんの言葉に一瞬固まった。
「??・・・どうかしたのか??」
『うっ・・ううん、何でもないよ、普通だよ。普通に仕事してるよ』
何とか戸惑いを隠そうと言葉にしたもののうまく言えなかった私に銀ちゃんはもちろん気付いた。
「うまく・・・いってないのか?」
昔と変わらない瞳を向けてくれた銀ちゃんに自然と私の涙腺は緩み次の瞬間、目から涙がこぼれていた。
その涙に驚くこともなく私を見つめている銀ちゃんに私は、私の気持ちと今の心境を伝えた―