短編

□叫んだ思いは
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シンクが死んだ。
帰ってきたアニスが、私に言った一言。
アニス達が帰ってきた時。
ああ、彼は死んだのだと、理解していた。
いや。
理解していたハズだった。
なのに、彼女の口からその言葉を聞いた時には、理性なんてものは吹っ飛んで。
次の瞬間には。彼女の頬を引っ叩いていた。
慌てる周りには見向きもせず、1度だけアニス達を睨んで、私は自室へ帰った。
ドアを閉めて、
鍵を掛ける。
ベッドに座って、
頭を抱えた。
シンクの強さは私がよく知っている。
ずっと…。
ずっと彼の後ろ姿を見てきたのだ。
だから、負けるわけが…。
死ぬわけがないと、信じていた。


「…っ」


次から次へと溢れでてくる涙。
それを止めようと唇を噛んでも、止まることはなくて。
そのまま何時間もの間、涙を流した。



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