月宮殿

□安全な場所
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時音は神威に抱えられて真選組に向かった


番傘を肩にもたせ掛け、時音をお姫様抱っこして、時音の道案内で時音に負担がかからない程度に急いだ



その時、たまたまパトカーが通った


総悟だった


運転は山崎だったので、窓を開けて自分は気になる人物に声をかけた



「ねぇねぇ、赤い髪の旦那、その子はうちの副長の妹じゃねぇですか?」



神威が振り返って、声をかけてきたパトカーの男に気が付いて寄ってきた



「あぁ、あんた真選組の人でしょ?」



「まぁ、そうですね…」


「この子映画館で頭痛起こして、真選組に帰ったら薬があるって言うから今向かっていたんだけど、ちょうどいいから乗せてってくれない}



「はぁ…まぁ、そうですね…」



山崎に車を止めさせて、後部座席のドアを開けると、時音を乗せさせた


その間、その見覚えのあるような風貌を総悟がチラチラ見ていた



「じゃ、俺はこれで…」


言い終わる前に、総悟が口を開く


「あんたには、たぶんうちの副長もお礼したいっていうだろうから、一緒に乗ってくれると嬉しいんですがねぃ…」


「お礼は遠慮しておくよ…」


その時、時音が手を伸ばして神威を捕まえた


「お兄様に……紹介したいから…乗ってくださぃ……」



苦しそうに時音に頼まれると神威もつい「わかったよ」と言ってしまった




神威が乗り込むと、パトカーは真選組に向かった






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