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□A
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「たまにはゆっくりしていったらどうだ?」


思いがけない土井の誘いが掛かった。


「い、いや、私は訓練の途中で…」


「たまには良いじゃないか。今日は暑いし、少し休んでいくと良い」


土井の言葉に押されて、諸泉は入門票にサインし、忍術学園に足を踏み入れたのだった。


「先に食堂に行ってお茶でも飲んでいてくれ。私は善法寺伊作に手紙を渡してくる」


「はい…」


言われるままに、諸泉は食堂に向かう。
そして、食堂に入るとそこには…


「「あー、諸泉さんだ」」


乱太郎、きり丸が居た。
どうやら当番の様で、食器を洗っている。


「やぁ、乱太郎くん、きり丸くん」


知ってる顔を見つけ、諸泉はほっと息を吐く。


「またお手紙届けに来たんですか?」


乱太郎は、皿を洗う手を止め、諸泉に訊ねた。


「組頭に頼まれてね…」


がくっと肩を落とす。
諸泉は最近、自分は使いっぱしりなのではないのか、と思い始めていた。
なんせ、組頭の雑渡昆奈門は諸泉にしか文を届けさせない。


「もしかして、雑渡さんは諸泉さんを気遣ってるんじゃないすか?」


今度はきり丸が口を開いた。
そして諸泉はその言葉に首を傾げる。


「だって、諸泉さんは未だに土井先生にチョークと出席簿で負けたことを根に持てるんでしょ?だから、雑渡さんは土井先生を負かす方法を探ってこいってことで諸泉さんを忍術学園に出入りさせてるんじゃないかな?」


(く、組頭が私の為に…)


「待たせてすまない」


その時、土井が善法寺に文を渡し終え、食堂にやってきた。


(組頭の気遣いに応えるためにも…)
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