.

□A
1ページ/2ページ

留三郎は僕の物だ。
誰にも渡さない。
僕はこんなにもお前を思っているのに、どうしてお前は他の、僕じゃない奴と仲良くするんだい?
そっか。
きっと僕の愛が足りないんだね。
僕はそう思った。
だから、僕は留三郎を閉じ込めた。
誰の目にも触れないよう。
僕と留三郎の愛を邪魔されないよう…。


「ただいま、留三郎」


僕は授業から帰ってくると、留三郎の口にはめた猿ぐつわを外してあげた。
早く声が聞きたい。
でも、手足を縛った縄はほどいてあげない。
だってこの方が可愛いから。


「い、伊作…」


留三郎のこの表情が堪らなく愛しい。
この、恐怖に溺れた表情が…。


「どうした?」


「縄を、ほどけ…」


「駄目だよ。だって留三郎、自由にしたらまた僕以外の奴と仲良くするだろう?」


そう、留三郎を自由にしちゃ駄目なんだ。
僕という鎖で繋いでおかないと…。


「伊作…お前、おかしいぞ…」


「おかしい?僕が?」


僕は立ち上がって留三郎の前でくるりと回って見せた。


「僕はおかしくなんかないよ?これも全部、お前に対する愛なんだから!」


「だからおかしいんだよ!普通じゃないぞ……お前、一体どうしちまったんだよ…」


分からない。
留三郎は何を言ってるんだ?
僕は普通なのに…。
僕は間違ってないのに留三郎は違うって言うのかい?


「僕は普通だよ?」


まだ…。
まだ愛が足りないんだね。
もっと…もっと愛さないと…。


「ちゃんとお前の事を愛してる」


愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる。


お前だけを…愛してる。


fin.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ