Novel BACCANO! & デュラララ!!

□可愛い可愛い、俺の婚約者
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あぁもう―――シャーネは本当に可愛いな。




久し振りに二人で過ごせる、俺の『仕事』の合間の休日。
大丈夫だと言っても、シャーネが俺が疲れているだろうと気遣ってくれて、今日はシャーネの部屋でのんびりと二人で過ごすことにした。



「シャーネ」
俺が呼びかけ、隣にいたシャーネがこちらを振り向く。
言葉にせずとも彼女の思いを雄弁に語る綺麗な黄金色の瞳が、俺をまっすぐに見つめる。


「?」
「あぁ、特に用があったわけじゃないんだ。
ただ……シャーネがあんまり可愛いから、抱き締めたくなってさ」
「…!」


不思議そうに首を傾げたシャーネはやっぱり可愛くて、思うままに伝えれば、今度は頬を仄かに赤く染めて、俯いてしまった。
それが照れている時の仕種なのだと、もう何度もその仕種を見ている俺は知っていて、更に愛しさが募る。


望むままに、俺よりも細く柔らかなシャーネの体を腕の中へと抱き締める。
いつものように、純情な(そもそも誰かに触れられるということ自体慣れていないのかもしれない)シャーネは一瞬体を硬くして、それから、少しずつ力を抜いて俺に体を委ねてくれる。
信頼の証のようなその重みに嬉しくなり、シャーネの額へと口付ける。


「…!!」
「びっくりしたか?」


驚いて俺を見上げる、(結果上目がちになりまた可愛い)シャーネと目が合う。
俺の問い掛けに、シャーネはこくん、と素直に頷いて、そうして、思いを伝えようとするようにまた俺の瞳を見つめる。



「『何かシャーネにして欲しい事はないか』って?
…『自分がもらってばかりだから』なんて、そんな事ないさ。
現に今こうして、俺はシャーネといてこんなにも幸せなんだからさ。

でも、そうだな……もししてくれるなら、『シャーネからキスして欲しい』とか、どうだ?」

シャーネが、いつもよりも更に顔を高潮させて俯く。
あぁもう、シャーネは本当に可愛い。



可愛くて、ずっと見つめていたいと思う望みのままにそのまま見つめていると、シャーネが俯いていた顔を上げて、俺を見つめる。
そうして―――微かに、俺の服がその細い指先に引き寄せられる感触と、ほんの一瞬、唇に触れたあたたかなものを感じた。

自分から重ねる時とは僅かに、だが大きく違う。
シャーネから、俺に、キスをしてくれた。



顔を赤らめさせたシャーネは、その赤い顔を隠したいのか、俺の胸へと顔を埋めて、甘える仔猫のように体を摺り寄せた。
普段、あまり自分からそういったことをしてこないシャーネのその行動は不意をついて可愛らしく、不覚にも一瞬思考が止まった。

少し後に、シャーネが心配そうに俺を見上げてきた。
もう何度思ったか分からないくらい思ってるが、改めて思う。



あぁもう―――シャーネは本当に可愛いな。


抱き締めた腕越しに、いつもよりも早いリズムで鼓動を刻むシャーネに気付き、知らず頬が緩む。
緩んだ表情のままに、俺はシャーネをいつもよりも強く抱き締めた。







たくさんの女に求婚してきて、断られ続けてきた。
その度、もっといい出会いがあると信じてきた。
…そしてそれは、間違いじゃなかった。

それは、シャーネに巡り会うためだったんだ。
俺の世界は、ずっと、シャーネを求めてたんだ。


この世界は俺のもの。
だから、俺に出来ない事なんてない。

だから、絶対に―――俺は一生をかけて、シャーネを幸せにしよう。






後書き

クレアがシャーネに『可愛い可愛い』言いまくる感じにしようと思って書いてたら、そのまんま出来上がりました。(苦笑)
クレアが、久し振りに会って珍しく甘えてくれたシャーネに ズッギューーーン!!! ってなる感じも目指してましたが、こちらは上手くいったのか微妙ですね。
人類最強の化け物呼ばわりされるくらい強いクレアが、婚約者のあまりの可愛さに撃沈する、というのも書きたかったんですが。

クレアが難しすぎます。
私とある意味正反対な人なので。
小さい頃から積み重ねてきた努力があるからこその実力と、それに裏打ちされた揺るぎない自信、そして誰がいようが何だろうが関係無しに躊躇いなく好きな人に愛情表現をする辺りが。
まぁ、そんなクレアが大好きなんですが。

シャーネも、ジャグジー達に出会って大切なものが出来て、色々考えたり悩んだりしながらも大切な人たちを守ろうと頑張るシャーネが大好きです。
戦いの時の凛々しい時も好きだけど、しとやかで照れ屋さんなシャーネが可愛くって仕方ない。
クレアがいると可愛さ倍増ですよねvv

大好きなのにニセモノになってすみません。(汗)
ではでは、気に入っていただける事を祈りつつ…。






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