Novel REBORN! V
□そっと、隠して。
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−−−ハルは、ずるいです。
「ツナさん、好きです!」
「な、なんだよいきなり!?」
ハルの言葉に驚いたのか、ツナさんは真っ赤になってうろたえました。
そんな姿を見て、ホッとしてるハルに、どうか気が付かないでください。
「好きです」
「は、ハル…?
どうかしたのか?」
「…いいえ?
なんにも。
ただ…ただ、ツナさんのことが好きなんです」
−−−好き、だから。
だからこそ、胸に沸き起こる、醜い感情。
嫉妬する、そんな資格なんてないのに。
(でも、止められないんです)
−−−京子ちゃんのことだって大好きなのに、どうしてなんでしょうか、止められない。
言えないから、だから。
この言葉にそっと潜ませて、隠して、あなたにぶつけてる。
かわいくないし、卑怯だって知ってます。
…でも、どうすることもできなくて、ハルはいつもこんなずるくて最低のことをし続けてるんです。
「−−−ツナさん、好きです。
本当…なんです」
だから、あふれ出る醜い感情も止められないんです。
こんなひどい事をしてるくせに、そんな資格はないかもしれないけど。
それでも、夢見ることはやめられないんです。
−−−いつか、ツナさんが隠してる気持ちまで気付いて、それでもハルに応えてくれる時がくるんじゃないかって。
「ツナさんが、好きです」
あぁ、はやく受けとめて。
でないと、ハルは…壊れてしまいそうです。
後書き
私自身が、『NOTツナ京!』なタイプで、「そういえばハルだって京子ちゃんとかに嫉妬するよね、そういう気持ちを発散させたい時どうするんだろう?」と思ったのがきっかけです。
ツナを直接知らない人には、ハルはあまり言いそうにないし、知ってる人や本人には尚更言わないようにしてる気がする。
「ハルの片想いなんだから、こんな風に思ってることを知られたらツナさんを困らせるし、側にいられなくなっちゃう」とか思ってそうなイメージなんですよ。
ハルは基本、どこまでも健気なイメージなので…。
そんな考えから書いてみました。
早く気付けよツナの激ニブ! とか怒りたくなりますが、気に入って頂けることを祈りつつ。