短編
□過去拍手log
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※銀時トリップで二期辺り(銀魂→稲妻)
銀時と鬼道
「何処の世界も変わらねぇな」
苦笑しながら銀時の呟きに鬼道は銀時の視線に向けるとそこには円堂達がワイワイと買い物中に福引きで当たった花火セットで花火をしていた。
色鮮やかに火花が輝く光景を銀時は何処か懐かしむように眺めていた。
「…あっちにいた頃でもこんな感じだったんですか?」
「まあな」
銀時は異世界から来た異端者だ。
彼らが知る時代とは全く違うパラレル世界から何故かこの世界に来たらしい。銀時が彼らと共に行動する理由は自分の世界に戻る方法を探す為。
かれこれ坂田銀時と名乗る人物と行動を共にしているがよく分からない性格をしている。
しかし、その気の抜けた脱力感や芯の強さはいつの間にかキャラバンの皆の心の支えになっていた。
「帰りたいと思わないんですか?」
やけに穏やかな目をした銀時に鬼道はふと尋ねた。
「あっちの世界にはアナタの帰りを待つ仲間や家族がいるんじゃないんですか?」
「帰りたいちゃあ帰りたい。けどコッチも楽しいし悪くねぇよ」
けどと言った所で銀時はしばらく黙り込んだがやっと口が開いた。
「…アイツらに逢いたいなぁ」
弱々しく泣きそうな銀時の言葉に鬼道は慰める言葉が見つからなかった。
「おーい!鬼道も銀さんもそんな所にいないで一緒に花火やろうぜ!」
円堂の言葉に二人はハッとなり、銀時が後で行くと返事を返した。
「しんみりした話になっちまったな。さてと、気分変えて花火でも楽しむか」
「坂田さん」
「なんだ?」
「…何でもありません」
「あっそう。ほら、行くぞ」
先に行く銀時の後ろ姿を見ながら鬼道も皆がいる場所へゆっくりと歩き出した。
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