短編

□偽善と偽悪
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※ラビが攘夷時代にトリップ
ラビ視点


アクマのせいかイノセンスのせいかはまだハッキリしていない。
でも確かに任務中に俺は意識が真っ暗になって気付いたら、血生臭い異臭が漂って曇天の空の下にいた。宛もなくウロウロと途方にくれた時にあの人とその仲間らしい人達と出会った。

そしてようやく俺が今いた世界とはまったく別世界へ来たってことが分かった。


「兎君」


日が沈み辺りは薄暗くなった頃に襖を開けてひょいと現れたのは俺が最初に出会ったうちの一人である坂田銀時だった。


「あのさ、その兎君ってやめてくんない?俺はラビっていうさ」

「良いじゃん兎君で。似合ってんぞ」

「……」


これ以上言っても無駄だと思った俺は何しに来たか尋ねようとしたが銀時の姿に目を見開いた。


「あ、あんた、血まみれなんだけど大丈夫なんさ!?」


薄暗くってよく分からなかったが銀時の衣服や肌が血まみれになっていた。しかし銀時は平然とした顔だった。


「あー違う、違う。これは返り血だって」

「か、返り血?」

「何か今日は敵が多くってよぉ。銀さん、めちゃめちゃ疲れたんだよ」


あーしんどと呟き、身体を軽く動かした。余程、疲れているらしい。

銀時達は攘夷志士と名乗り宇宙人みたいな天人を江戸から追い払う為に戦っている。
何だが俺ら、エクソシストとアクマと似ていた。


「そういや、もうすぐ飯だから。早く来いよ」

「…ちょっと待つさ」


銀時の片腕を掴み、座らせてから俺は包帯を持ち出した。


「銀時、本当は怪我してるだろ。包帯巻くから怪我した所出すさ」

「…気付いてたのかよ」

「まあな」


銀時は左腕を差し出すとやっぱり、傷口から血が流れていた。俺は直ぐ様、馴れた手付きで包帯を巻いた。
戦争中じゃあ怪我は当たり前だが皆、怪我をしてくる。しばらくして俺は口を開いた。


「なあ、銀時はどうしてこの戦争に参加したんさ?やっぱり、国の為?」


すると銀時は相変わらず気の抜けた口調で答えた。


「別に国の為じゃねぇよ。つーか、国がどうなろうと俺は知らねぇ」


その言葉に俺は目を見開いた。
国がどうなろうと知らないってそれはあんまりじゃないか?なんて、酷い奴なんだと思った。俺は更に銀時に質問した。


「じゃあ、何の為さ?」


銀時はいつもやる気のないがその時の銀時の目は真っ直ぐな目付きで俺の方へ向いた。


「俺は俺の武士道を貫いて戦ってるだけだ」


その言葉に俺は息が詰まりそうになったが分かんないさと呟くと銀時はあっそと呆気ない返事をした。



偽善と偽悪
(銀時がどういう奴か)(俺にもよく分からない)



企画シザンサス様に提出

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