短編

□バレンタイン企画
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2.弟、戸惑う
新八視点


「兄さんの様子がおかしいんです」


雪斗君から相談があると聞いたときから嫌な予感はしていたが見事に当たってしまった。


「銀さんがおかしいのはいつもの事じゃないか」

「いえ、それ以上におかしいんです」


それ以上?と僕が呟くと雪斗君は不安そうな表情で頷いた。


「いつもの兄さんなら、過保護過ぎるところがあるんですけど。なんだか、このごろそういう感じじゃなくなったんです」

「え、それって銀さんがブラコンを卒業したってこと?」

「…多分ですけど」


あの銀さんがブラコンを卒業したなんて…ありえない。そりゃあ、雪斗君が心配するのも無理もないなぁ。


「それはそれで良かったと思いますけど僕、なんだか不安になってしまって…」

「まあ、いつも雪斗君に溺愛している銀さんが突然、大人しくなったら不安にはなるけど…。心配しなくっても大丈夫じゃないかな?」

「…そうですか?」

「まあ、別に悪いことじゃないしさ」

「…そうですね」


雪斗は納得してくれたが若干不安気のまま、この話は終わった。


けど、まさかあんなことになるなんてその時は何とも思わなかったんだ。


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